- デカトロンさんからテスト品をご提供いただきました
- 何故この商品を選んだのか
- EVADICT トレイルランニングベスト 5Lのスペック
- EVADICT トレイルランニングベスト 5Lの構造レビュー
- EVADICT トレイルランニングベスト 5Lの実施用レビュー
- まとめ
デカトロンさんからテスト品をご提供いただきました
以前にデカトロンさんの商品を紹介した記事を気に入って頂いて、この度、デカトロンさんより商品を「使ってみてくれよ」とご提供いただきました。
これまでデカトロン関連で書いたレビュー。
別に提供いただいたから言うわけでは無いですが、「デカトロンに外れ無し」です。
というのも、企画している人たちが実際の競技者なので、かなり緻密に使い勝手は調整されているものばかりなんですね。
ちなみにデカトロンという会社はフランス発の世界最大のスポーツショップチェーン・・・と言いますが、実態は販売する商品の企画生産から行ってる、言わば世界最大の総合スポーツ用品直販メーカーでもあります。
めちゃくちゃデカいモンベルみたいなもんです。
で、いくつか先方から候補を頂いたんですが、私が選んだのはコレ。
超軽量な5Lのトレランベストです。
何故この商品を選んだのか
どうしてこの商品にしたのか、と言いますと、オンタケ100マイル参加にあたって、いろいろなザックを買っては売って・・・って繰り返したのは以前書いたと思うんですが、その結果ベストだと思ったのがinov8のベスト。
これ。しかしコレ、長時間使うとTシャツの生地がやられちゃう事が判明。
めちゃくちゃ気に入っていたんですが、これはさすがに泣けちゃいます。
硬めの素材を使ってるザックだとちょいちょいあるんですよね・・・。
で、レース用のザック選びが振り出しに戻っていたんです。
そこに今回のお話を頂いたので、渡りに船、という事でご提供を受けることになりました！
と言っても読者の皆様を裏切るわけにもいきませんので、そこはちゃんと厳しくチェックしていきたいと思います。
EVADICT トレイルランニングベスト 5Lのスペック
素材
主な生地 26% ポリウレタン 74% シリコン
内側の生地 30% ポリウレタン 70% ナイロン(PA)
公称重量175g
サイズ構成
サイズ- XS/S：77 cm～94 cm、M/L：95 cm to 105 cm- XL: 106 cm～120 cm
容量・収納
容量 5L（全ポケット含む）
収納12箇所詳細
- ソフトフラスク500 ml×2本が入るポケット2個
- スマートフォン用ファスナーポケット1個
- 補給食やゴミを入れられるポケット4個
- 背面のポケットに5個
- ・Evadictトレイルランニングポール用ホルダーを装着可能
スペック概要
シリコンが7割も使われている生地、というのはかなり珍しい気がします。
殆どのレースで500ml×2本、予備に１本あれば事足りると思うので、FUJI（旧UTMF)の様な必携品の多いレース意外ならこれでイケそう。
EVADICT トレイルランニングベスト 5Lの構造レビュー
では早速細かいところを見ていきましょう。
まず生地。
肌側の、ベース生地はめちゃくちゃ通気性の良さそうなフルメッシュです。
一般的なスポーツ用のTシャツよりも通気性も良いし軽いしかなりストレッチします。
触った感じは柔らかい、幼児用の下着の様な触り心地。素肌の上にコレでも全然着られます。
背面の生地もかなり薄くストレッチするブロック状の生地。
通気性は抜群によさそう。
こちらは肌に当たる側よりも丈夫な印象。
どちらにせよ防水性はまったくないので、完全に服の延長の様に扱った方が良いと思います。
とりあえず、ONTAKE100を想定で以下の装備を入れてみました。
余裕で入る。
これプラス、500mlボトル×２です。
ボトルホルダーは、500mlまでのボトルならソフトフラスコだろうがペットボトルだろうがちゃんと入ります。
私はペットボトルより長めのみんな大好きインナーファクトのソフトフラスコを使用すると思いますが、これもちゃんと入ります。
画像だと収まり悪いように見えますが、パンパンでも入るし、少し減れば首まで中にちゃんとおさまります。
ただ、こういう650ccとか700cc入るタイプのハードボトルは物理的に入りません。
直径が大きくて絶対に無理です。
その分、ペットボトルやソフトフラスコはかなりしっかり固定される印象。
左胸のボトルホルダーの外側にスマホ用のジップポケットも付いてますが、防水でないのと、ボトルホルダーにペットボトルみたいなハードタイプのボトルを入れるとスマホを入れられなくなります。
ソフトフラスコとなら併用可能ですが、ボトルに結露した水分に脅かされると思うので、防水のスマホ以外はやめた方が良いと思う。
サイドの小さなポケット、手前側は大き目のジェルやヘッドライトが丁度よいサイズです。
面ファスナーが付いているので、小さい物を入れてもあまり落下が気になりません。
サイズ的にはヘッドライトも丁度良さそう。
奥のポケットは小さ目のジェルにピッタリ。どちらも面ファスナーが付いているので、落下防止も万全です。
両肩にも収納が有ります。
ここはカフェインピルや塩分タブレットなんかを入れる人が多いと思います。
片側にはホイッスル付き。
どうでもいいけど、このホイッスル、バックパックについているヤツの中では断トツで大きな音が出ます！
また、車のカギなんかはここにクリップかアクセサリーカラビナなんかでつけておけば安心。
サイズ調整は３本のストラップで調整しますが、この端の処理がなかなか良いです。
余分な分は簡単にまとめられるようになっている。
背面側はメイン気室・・・というかストレッチで挟み込むだけなので密閉はされていません。
それでも落ちる、という事はまずないでしょう。
なお、小さいポケットも有りますが、これはジッパーか面ファスナーでも良いので付けてほしかったかも・・？
エマージェンシーキットを入れる想定なんでしょうが、日本の夏だと汗が酷いので、ベッタベタになりそうです。
背面の下部にはシェルを挟み込むポケットも。
いや、本当に100キロレースやオンタケの様なスピード型の100マイルにはちょうど良さそうな収納。
ただ、問題は使い勝手です。
EVADICT トレイルランニングベスト 5Lの実施用レビュー
というわけで暫くの期間使ってみました。というか今も使ってます。
まずは着用画像（加工済み）。
フロント。
サイド。
背面。
諸事情有って身体がデカくなってます。
マラソンまでには絞ります・・・。
デザイン良いですね。私はやっぱりデカトロンのデザイン、大好きです。
現在の体型は175cm95cm75cm95cm。
商品のランニングベストのサイズはM-Lです。
私の体型でちょうどストラップを目一杯引っ張るシーンが多いので、ほとんどの日本人はXS-Sサイズで良いと思いました。
しかしデカトロンはどれもそうですが、色とデザインカッコ良い。
こういう、キレイな色はヨーロッパの国ならでは、ですね。
さて、まず走っていて思ったのは、密着性が高いので全然揺れません。
１Lの水分有りでも、全然揺れない。
・・・と思いきや、ペットボトル×２本だとちょっと揺れますね。
特に林道の下りを飛ばすような場面だと、気になるくらい揺れます。
インナーファクトの様なセミソフトタイプやソフトタイプのボトル・フラスクなら、まったく気になりません。
また、各部のポケットに面ファスナーが付いているのはかなり良い。安心感が違います。
レース中、よくジェルや補給食を落としている人、いますからね・・。
後ろのメインコンパートメントは割と伸縮しつつ沢山荷物が入るので、保温具なんかを入れておくとフィット感も上がって良い感じ。
ただ、真夏みたいな暑い時は、むしろ何も入れない事で、このベストの最大のメリットの通気性を生かすことが出来ると思います。
背面下部のポケット。
これですが、引っ張り出す事は出来ても、装着したまま入れることは私には無理でした・・・・。
身体の柔らかい方なら可能かも？？と思って娘にやって貰ったら、まったく問題なくできました。
・・・私の身体の硬さの問題みたいです。
しかし、取り出すのは全く問題ない。
サイズ調整兼用の着脱ストラップは、３本あるのでかなり密着させることができますが、日常使いには面倒です。
さらに、このストラップが伸縮するのですが、本体も伸縮するので、がっしりと身体に固定する事がしにくくなっています。
だから持てる荷物の量は、画像の装備+水分1.5Lが限界で、それ以上は素材の伸縮性のせいでベスト自体が伸び縮みしながら揺れはじめてしまいます。
逆に言えば、一般的なロングレース程度の荷物の量なら、ちゃんとこらえてくれるので安心です。
そして、装着感は最高。
まるで空身の様な感覚と軽さです。
最も良いな、と思ったのはやはり通気性。
防水性がまったく無い代わりに、他に類を見ないほどに通気性の高い、速乾性の高い素材を使っているので、背面の荷物が少ない時の背中の涼しさが段違いに良いです。
普通のトレランザックで、夏だと背中が蒸れに蒸れ、蒸発できない無駄な汗をかき続けるので、これはかなりアドバンテージになるな、と思いました。
まとめ
良い点
- 軽い(175g)
- 着用感が最高
- ポケットの数が多い
- 容量がロングレースにジャストサイズ
- 通気性がかなり高い
- 速乾性が高い
- デザイン・色が好み
- 値段が安い（7490円）
悪い点
- 強く固定出来ない
- 貴重品を入れる場所がない
- 650ml以上のハードボトルが入らない
うむ。
提供を受けているのに悪い点を書かないとうさん臭くなるので書きたいんですが、本当に欠点がない。
こういうタイプのハードボトルを入れられないと話にならない、という人はいると思うので、そういう人にとっては致命的にダメかも。
また、150cmとかの小さすぎる人も厳しいと思います。
あとはブランドでドヤりたい人にとっては魅力が無いかも。
ただ私は以前からハデハデな日本のトレランウェアが合わなくなってきているので、こういう落ち着いたセンスの物の方が好きです。
トレランポールのケースも背面に装着できるので、今後のメイン装備の一つになりそう。
それから、何度も書いていますが、私は使った物はすべて洗濯乾燥機に突っ込まないと気が済まないタイプなので、これもそうやって使っていますが、洗濯ネットにさえ入れれば問題なく使えています。
ヒートポンプ式の乾燥機なのでダメージは少ないんですけどね。
それでもメーカーは推奨していないので、オススメはしません。
競合商品の半額以下というコスパ、高いレベルの作り・デザイン・使い勝手を考えると、私は誰にでもかなりオススメ出来る商品だと感じました。
というかデカトロンのものってほとんどそうなんですけどね。
唯一の欠点は、呼び名が無いからブログやSNSで紹介しにくい、という事でしょうか？
そのあたり、人気のブランドは一つ一つに変な名前を付けているので、「上手くなってるな」と思います。
あと、やはり直営店舗が無くなって、手に取れる＆試着出来なくなったのは残念・もったいない。
今回、提供いただかなくても、店舗でじかに手に取っていたら買っていたと思います。
今現在、このサイズのトレランザック・ベストを持っていない人は間違いなく損はしない買い物なので、オススメです！
