カモシカロングトレイル

トレイルランニング・登山・ULハイク・マラソン。書き捨て御免。※本ブログはプロモーションが含まれています。

アルトラ ローンピーク9+レビュー

アルトラとは

アルトラはアメリカでゼロドロップをアイデンティティとして生まれたランニングシューズメーカーです。

 

アルトラのトレイルランニングシューズのメーカーとしての特徴は、以下の2点に集約されます。

  • ゼロドロップ構造: つま先とかかとの高低差がゼロで、裸足に近い自然な足運びをサポートします。これにより、足全体で着地し、膝や腰への負担軽減が期待できます。
  • フットシェイプデザイン: 足の指が自由に広がるようにつま先部分が広く設計されており、長時間のランニングでも快適なフィット感と安定性を提供します。

ランニングシューズメーカーとしては後発ですが、イノヴェイトなどと同じく、より自然な、ナチュラルランニングを標榜するシューズメーカーの代表的存在になりました。

ローンピークとは

アルトラの代表的なモデルであるローンピークは、トレイルランニングシューズ全体で見ても定番と言われるほどの人気モデルであり、その特徴は以下の通りです。

  •  ゼロドロップ構造(上記参照)
  •  フットシェイプデザイン(上記参照)
  •  適度なクッション性
  •  軽量性

 

これらの特徴により、ローンピークは初心者からベテランまで、多くのトレイルランナーに支持されています。

また、それ以上に世界中のハイカー、とくにULハイカーに支持されています。

むしろ現在はトレランシューズとしてよりもハイキングシューズとして使われることが多く、それは日本でも同様です。

私が思うに、ゼロドロップは歩くことや立ち続ける事と相性が良く、また、軽量で速乾性が高い事も日本の山岳事情に適している・・少なくともゴアテックスシューズが必要ないレベルの山行には最適だと思います。

 

ローンピーク9+の特徴は?

スペック

重量:327.7g(Mens US10.5 / 28.5cm)

ミッドソール:Altra EGO™

アウトソール:Vibram® Megagrip

スタックハイト:25mm

アッパー:リップストップメッシュアッパー

FootShape™:ORIGINAL

 

アルトラの「ローンピーク9+」は、ローンピーク9からいくつかの重要な変更が加えられ、特に以下の点が大きく進化しました。

 Vibram® MegaGrip(ビブラム メガグリップ)アウトソールの採用

これが「9+」の最大の変更点であり、名前の「+」の意味でもあります。

従来のAltra独自のMaxTracアウトソールから、定評のあるVibram® MegaGripに変更されたことで、特に濡れた路面や滑りやすい条件下でのグリップ力が大幅に向上しました。

これにより、よりテクニカルなトレイルや悪天候下でも安心して走れるようになりました。また、ラグパターン(靴底の凹凸)も改良され、安定性が増しています。

アッパーの耐久性向上

 アッパー素材にはリップストップメッシュが引き続き使用されていますが、縫製箇所が大幅に減り、圧着技術を多用することで、耐久性が一層強化されました。

特に、シューレースを通す穴の周りや、つま先を保護するトゥガード部分の強度が向上し、過酷なトレイルでの使用にも耐えうるようになりました。

二重構造のトゥガードが広範囲にわたって足先を保護します。

フィット感の改善

  足の甲やかかとなど、足の形に沿うようにシューズのフォルムが変更され、より高いフィット感を実現しています。

ミッドソール(ALTRA EGO™)の材質とスタックハイト(25mm)は前モデルから変更なく、ゼロドロップ構造も維持されています。

これらの変更により、「ローンピーク9+」は、グリップ力、耐久性、履き心地の全てにおいて進化し、トレイルランナーだけでなく、ロングトレイルを楽しむハイカーにとっても、より信頼性の高い一足となっています。

 

アルトラ ローンピーク9+レビュー

到着。本当は黒が良かったんですが、品薄でこの色しか買えませんでした。

ギリギリ我慢できる配色です。

アルトラのカラーリングは極めてダサ・・・好きではないので、買える色が少ないんです。
f:id:ultratrail:20250629110101j:image

もちろん、普段履きとしては履きたくない色ではあります。

皆「アシックスダサイ」って言いますけど、正直アルトラとかトポとかアシックスの倍くらいダサイと思います。

ただ、アシックス信者は「アシックスダサイ」というとヨダレを垂らして喜ぶんですが、アルトラの信者に「アルトラダサい」というとブロックされたりムッとされたりします。

Onの信者に「Onダサい」なんて言ったら多分、ミンチにされてあの空洞に詰められちゃいますよ。

[オン] ランニングシューズ Cloudmonster メンズ オールブラック 26.5 cm D

Onのクラウドモンスター・謎の穴が沢山開いている

 

まあOnはカッコいいですけどね、ウェアなんか惚れ惚れします。

 

さて、話をもどしてローンピーク9+(26.5cm)の重量。
f:id:ultratrail:20250629110116j:image

いや、軽っ!!!

公称よりも40gも軽いとは・・逆にどういう管理してんの????何???

いや、本当に違い過ぎる。

そして軽いな。これは。手に持っても全然軽い感じです。

見た目より軽いと、なんかウキウキしてきません?

その軽さです。

 

で、噂の「+」の部分、ビブラムのメガグリップがこれです。

黒い部分は恐らく硬い代わりに耐久性が高いものにしていますね。

ラグは浅い。

所謂、オールテレーンパターンです。

この言い方は私以外言ってる人見たことないですが・・。

つまりラグが深いと泥沢地向け、ラグが浅いと乾いた砂利・草地向け、細かいパターンが切ってあると岩石地帯向けです。

これはそのどれもの中間、といった作りですね。

アッパー素材はリップストップナイロン。

さほど通気性は良くないしストレッチもしないけど強度は高い、タイプです。

 

つま先の保護パーツも無印9から変更されて強化されてるいます。

 

ヒールカップの高さも上げて、全体的にヒールの密着感を上げる狙いがあるそうです。

で、もちろん、アルトラお得意のゲイター取り付け部分もあります。これはつかわないですけどね、ほとんどの人が。

全体的に作りはめちゃくちゃ良くなっています。

最近は一流ランニングシューズメーカーから人を引き抜いているという噂もありますが、このところ、各部の作りが飛躍的によくなっています。

巷で言われるようなカッコよさは私はまったく感じませんが、ゼロドロップシューズに限るとローンピーク9+は間違いなく、プロダクトとしてトップクラスにいい作りをしていると思いました。

実走レビュー

ゼロドロップで走るのはルナサンダル、ワラーチ以外ではローンピーク8以来です。

ただ、低ドロップのシューズはイノヴェイトで愛用してきましたが、ドロップ差が4mmか0mmかで変わる事なんてほとんどないですけどね私は・・・。

 

という事でロード3、林道5、登山道2くらいで100キロ程度走ったのでその感想。

まず、履き心地、フィット感はとても良い。

めちゃくちゃ良くなっています。

ベロの付け根をより下の、地面に近い方にしたからか、上からストレッチの効いたシュータンに包み込まれるので、靴紐を締めなくてもそこそこフィットします。

靴紐を結んだ状態だと、かなり履き心地が良いです。

フィット感は、アシックスのエボライドにかなり近いかもしれません。

ヒールカップから中足部は包み込まれるように優しくフィットして、前足部は広くて足の指は自由です素晴らしいです。

エボライドと違うのは、左右のブレも感じずに安定感があります。

ただ、転がる感覚はないので、ロングジョグが楽にこなせるエボライド系とかまた違った走り心地です。

 

走った感覚は、まさに昔のナチュラルシューズ然としています。

これはローンピーク8や昔のイノヴェイトに近いとおもいます。

 

クッション性は高いか、と言われるとそれはないですね。

ただ、軽くて薄く、足がよく回るので、下りがかなり楽です。

その分・・ソールの高さが無い分、登りで少しアキレス腱や足裏の筋肉がストレッチされるので、ゼロドロップに慣れていない人は、最初は緩い登りのジョグなんかがキツイかもしれません。

速く走るのも同様ですね。

ただ、それはワラーチなんかと同じですし、ワラーチやルナサンよりは段違いに楽に走る事が出来ます。

 

林道の様な不整地だとこのソールの低さと硬さがかなりメリットになってきます。

前後左右の安定感は素晴らしいです。

もっとソールの薄いシューズ並みに安定しています。

わりと丈夫なので、つま先で大き目の意志を蹴ってしまっても大したことにはなりません。

かなり走るのが楽しいシューズです。

昔の薄底ランニングシューズを思い出させて貰えました。

 

まとめ

良い点

  • フィット感が素晴らしい
  • 前後左右に安定している
  • フットボックスが広いので指のトラブルが減る
  • かなり軽い
  • 汚れが取れやすい!

悪い点

  • 値段が高い
  • メガグリップ、普通に滑る
  • ヒールが引っ掛かる

ヒールが引っ掛かります・・・。

上記の写真の様に、何故か左右に飛び出した突起構造になってるので、岩場などで、ここが危険な感じで引っ掛かります。

また、やはり値段が高いです。まだほぼ定価しかないというのもありますが、税込みで24000円以上、というのはトレランシューズとしても高いです。

そしてそして、今回目玉のメガグリップ。ULハイク系のインフルエンサーの皆様が「滑らない!」とほめたたえていますが、濡れた岩場では普通に滑ります。

そりゃあ今までのつるっつるのアルトラのソールと比べると段違いにグリップしますが、アシックスのトレランシューズに使われるアシックスグリップと比較すると2段階くらい滑ります。

だから例えば、アシックスのトラブーコマックスなんかで余裕な岩場を走って降りたり、石畳の下りをトバす、みたいな事をすると簡単に滑ります。

ビブラムのメガグリップは恐らく大きな入力に対して大きなフリクションを返してくれる感じです。

クライミングシューズのソールなんかと同じ考えでチューニングされてるんだと思います。

大してアシックスグリップは小さな入力でも大きなフリクションを返してくれるけど、限界値はそこまで大きくないという印象です。

だから思い切り踏ん張ろうとするといきなりずるっといったりします。

 

ただ、滑るなら滑るなりに走り方は有るし、というか多少滑った方が下りやすかったりするもんですし。

アシックスグリップは滑らなさ過ぎて、いざ滑った時にめちゃくちゃ危険なんですよね。

だからこれはこれで良い、というかメガグリップはそういう意味でも優秀だとおもいます。

ハイキング・ウォーキングシューズとして

最後に、ULハイキングシューズとしてかなり人気なので少し触れますが、やはり歩く靴としてはかなり優秀に感じます。

アシックスグリップと比べると滑る、と書きましたが、ハイクやウォークする上では問題になることはほとんどないと思います。

軽くて保護もそこそこ、フラットな素材のアッパーなので強力な撥水スプレーと相性が良いので、多少の雨なら濡れずに済みますし。

濡れても排水性もなかなか良いので、プロテクトJ1なんかで足のケアさえしている時なら、さほど気になりません。

 

もちろん、個人のレベルに合ったシューズが良いとは思いますが、経験のあるハイカーには充分オススメ出来ると思います。