新しいテント泊向けファストパッキングザックが欲しい
最近はUL装備も沢山揃い、スピードハイク、ファストパッキングのテント泊用に愛用している、以前紹介したクリーブ30では大きく感じる様になってきました。
トレラン山行だと日帰りなら8Lもあれば事足りますし、小屋泊なら15Lもあればビバーク装備を持っていっても充分。
今の生活だとテント泊の1泊~2泊がせいぜいですから、20L超くらいの大き目のトレランザックを探していました。
ブラックダイヤモンドのディスタンス15Lにとても惹かれて購入を考えていたんですが、これだと今通勤ランにも使っているデカトロンの15Lザックで良い気がして色々と考えたのですが、やはりもう少し大きめのディスタンス22を購入することにしました。
というか理由はまあまあ後付けで、単にカッコいいから買っちゃいました!
ブラックダイヤモンド ディスタンス22の概要とスペック
素材 | ナイロン100d + UHMWPE 200dリップストップ |
重量 | 424g(Mサイズ、実測値) |
収納 | フロントメッシュポケット サイドのポールスリーブ ポールキャリーシステム デュアルアイスツールポケット ソフトフラスクポケット ショルダーベルトジッパーポケット ショルダーベルトメッシュポケット×2 サイドスタッシュポケット×2 内部ジッパーポケット(キークリップ付 |
概要
2023年に登場したディスタンスシリーズの最大容量のバックパック。
全体に高強度生地を使用し、前面には多数のポケット、走りながらポールを収納できるシステムも搭載。
背面に触れるメッシュの下にはボーダー状にウレタンを下地として通気性を確保。
止まることなく山を駆け抜けられる事を叶えるバッグ
※一部英語版公式YOUTUBEより引用
ブラックダイヤモンド ディスタンス22のレビュー
とにかく売り切れが多く、タイミングが合わないとこの色が買えませんでした。
今回はSサイズを購入。
はいカッコいい。
バックパックはグレゴリーとオスプレーが圧倒的に好きなデザインが多いんですが、ブラックダイヤモンドとグリベルの小型バックパックは、どうしてか特別かっこよく見えます。
それにしても22リットルにしては小さい??
クリーブ30と比較するとこう。
倍くらい違います。
実際クリーブ30は外部の収納をフル活用すると40Lくらい入るイメージなので当然といえば当然か。
とりあえずよくあるクローズドセルマットを上に付けるやつにチャレンジ。
おお、ギリ出来る。
ちなみにマットは多分私しか使っていない、以前紹介した格安品です。
まあこのスタイル、私はやらないんですけどね、なんか引っ掛かるのがイヤなんです。
でもコレ出来るとかなり容量に余裕出来ます。
ちなみにサイズ感ですが、私は175cm胸囲95ウェスト75ですが、サイズはSサイズでジャストでした。
私より大きい人はMサイズの方が良いと思います。
逆に胸囲90cmを大きく下回る人はこのザックは難しいかもしれません。女性用を検討した方が良いかも?
メイン生地はパリッとした感触で非常に頼りになる感じです。
内側に使われる生地は薄いですがリップストップ。
滑りやすいので荷物の出し入れも楽。
完全防水ではありませんが、ほぼ防水です。
薄いですが、これが破れても外側の丈夫な生地が袋状なのは維持してくれるので、大きく破れても決定的なトラブルにはならないと思います。
そしてディスタンスがウリにしている背面バッド部。
かなり涼しそうです。
チェストストラップはちょっと心許ない細さ。場所は変更できます。
ボトルポケットは600Lくらいのものまでなら入ります。
ペットボトルも可能。
飛び出し防止ループも付いています。
意外と靴紐を結びなおす時なんかは落とし勝ちですもんね。
ボトルポケット下のストレッチポケットはガバット大きいです。
INゼリークラスのジェルでも余裕で入ります。
片側にはホイッスル付き。
ただ、ジッパーポケットと干渉しているので、容量も食い合いますから、どちらかをパンパンにするとどちらかが入れられなくなります。
そのジッパーポケット。
かなり大き目で使いやすいです。
場所的にもエマージェンシーキットとスマホを左右に入れるのが一番じゃないでしょうか。
そのひとつ背面側にあるサイドスタッシュポケット。
蓋の様に返しが付いているので、ゴミや小さなジェル、炎熱サプリの様な軽くて落ちやすい物やゴミを入れるのに向いていると思います。
背面を見てみましょう。
アイスアックスポケット。
2つ、取り付けられます。BDのピッケル以外でも取り付けられますし、ヘッドに穴が開いているタイプなら引っ掛けて更に安定させらます。
よくある、半分飾りみたいに付いている物ではなく、しっかりと生地も丈夫ですから、実用的です。
持ち運びや壁掛け保管に便利なハンドルもあります。
凄く丈夫につくってありますね。
フロントのメッシュポケット。めちゃくちゃ伸びます。
コーラの缶を3本入れたところ。
まだまだ入ります。
伸縮性が大きいのにコシがあり、丈夫でしっかりしているので、重たいものでも安定して入れられます。
これは今まで見たどんなフロントメッシュポケットよりも実用性が高いです。
左右のサイドのポールスリーブはトレッキングポールやテントポールを入れる用です。
内部の生地もしっかりしていて深いので、荷物がパンパンなら飛び出す心配もなさそうです。
パンパンの状態だと出し入れはしにくいですが、破れたりの心配も無さそう。
ここにトレッキングアンブレラなんかを差しても良いと思います。
メインコンパートメントは上下に開くだけで開きます。
雨蓋は引っ掛けるだけ。
意外とこれが効いて、揺れを抑えてくれます。
ハイドレーションスリーブと止め具。一般的な2Lのものならちゃんと入ります。
そこに覆いかぶさるようにジッパーポケット。
かなり大き目なので、色々と入れられます。
キークリップも付いています。
そしてここからがディスタンス22の特徴的な装備、ポールキャリーシステムです。
まず前面でポールキャリーループにポールやアンブレラを引っ掛けます。
このままでも良いのですが、ポールの下に腕を通すと・・・
なんとポールを後ろに送れるのです!!!
これは唯一無二。
ここの取り付けも左右変えられます。
この辺の取り付けを左右の反対側に付け替えるだけ。
ちなみに、前面のメッシュポケットに傘を突っ込んで、ポールキャリーのループにも通せば・・・
こんな風に傘を固定できます。便利。
ガッチガチではないのであくまで一時的な使用か、無風時のみの使用になりますが。
ここまで部屋の中で見て来ただけですが、カッコいいだけではなく、どこもかしこも使いやすそうで、もうかなり虜になっています。
しかしザックは使って見なければ分からない。
という事で早速南アルプスへGO!
ディスタンス22 実使用レビュー
ええと、ザックの写真なくてごめんなさい・・・。
荷物は以下の通り。
これプラス、ヘッデンとクッカー類とパン2つ、ペットボトル500、トレッキングポールを持っていきました。
レイン上下、保温具上下、メリノBUFF、防水ビビイサック、エンライトのキルト、エアマット、DCFタープ、ソロシェルター、などなど。
トレッキングポール入れてもパッキングウェイトで6kgくらいです。
重量的にはギリギリですね。
6キロ超えるようだと、肩のクッションが皆無なせいで少し食い込みが気になります。
また、前に500MLと600MLのボトルを入れたくらいだと、後ろに少し引っ張られ気味になります。
ベストなパッキングウェイトは5kgくらいだと思います。
2日間、コースタイムで30時間ちょいを休憩時間混みで17時間くらいで登ってきました。
結果から先に言うと、最高でした。
まず、全然揺れない。
揺れなさは15Lくらいのトレランザックをイメージしてくれると良いと思います。
そして、背中が涼しいです。ウレタンで空間を確保しているお陰か、一般的なトレランザックとは背中の蒸れが全然違います。
ボトルポケットの使い勝手はイマイチ。
恐らく揺れを抑える為なんでしょうが、例えばペットボトルだと余裕がなさすぎるし、ソフトフラスコ類でも取り出し時に窮屈です。
そのわりに口元が絞れないので、飛び出しの可能性もゼロではない。
それ以外のポケット類はかなり使いやすいです。
コシが有るのに伸縮性も高いメッシュ生地の為、小さ目のジェルや重たいヘッデン、逆に小さくて軽いゴミ入れとしても、どのポケットも不安なく運用できます。
ザックの生地もかなりハリのある硬い生地なので、擦れなどもまったく不安なく使えるし、この硬さのお陰で揺れも少なくて済みます。
容量としても所謂トレランやファストパッキング、スピードハイクと言われるようなスタイルのテント泊・小屋泊にはピッタリ最小限の容量だと思います。
一般人が削れる容量としては最低限これくらい欲しいかも。
まとめ
良いところ
- 軽量なのに丈夫
- 前面のポケットが豊富
- 外部ポケット類が使いやすい
- ポールキャリーシステムは唯一無二
- 全然揺れない!!
- 比較的蒸れない、涼しい
- カッコいい
悪いところ
- ボトルポケットがキツ過ぎる
- 入手性が悪い
- キーフックは外のジッパーポケットの方が良い
- 値段が高い
- 雨蓋が小さいので強い雨だと中が濡れやすい
私としてはテント泊ファストパッキング用ザックとしては最高だと思いました。
登りも下りも快適過ぎる。
ただ、やはり22Lというサイズはかなり考えたパッキングをしないと厳しいです。
マットもクローズドセルなら薄めの丸めるタイプじゃないと難しい。
シュラフも安めの小さくならないものだと厳しいし、テントも嵩張る物は無理です。
保温具もそれなりにお金を掛けないといけないし、レイン類もそうです。
そういう意味では非常にお金のかかるバックパックかもしれません・・。
ただ、このサイズなら小屋泊には最適だし、日帰り山行なら余裕がある上に大袈裟でも無くて、アルプスのトレラン山行ならかなり活躍の幅は広そうです。
もちろん通勤ランなんかにも良さそうですが、さすがにちょっと勿体ないですね・・。
通勤ランなら以前紹介した超コスパザックでよいと思います。
既にUL装備が揃っている人や、これから揃えるつもりの人には、超オススメ出来るザックでした。