山で使いたい携帯浄水器
突然ですが皆さん、携帯用浄水器って持っていますか?
私はほとんどの飲料水を担いでいくか、問題なさそうな水場で汲んでいました。
どうしても煮沸せずに山小屋の天水を飲んだり、という時はオーラヤックスのピュアというものを使っていました。
というのも以前の携帯用浄水器はめちゃくちゃ吸わないと出なかったり、大きくて重かったり、それなのに臭かったり・・・など、イマイチで、登山に持っていく人、というのは限られていたように思います。
ところが小さくてコスパも高く性能も高い、ソーヤーの浄水器が登場して爆発的に人気となり、他のメーカーも追随して軽くて速く浄水出来るような商品が登場しました。
しかし正直なところ、どれもイマイチ。
ポンプをガシガシしたりそもそも浄水器がデカかったり、ソーヤーの牙城を崩す様な商品は無かったのです(私見です)。
ただ、その人気のソーヤーの浄水器も、実際に使っている人を見ると、絞るように握ってチョボチョボと浄水された水が出てくる・・くらいのもの。
手間も時間(ソーヤーミニの場合500mlで3分)もかかるので、まあ少なくともトレランスタイルにはキツいよね・・・と思っていたんです。
ところが!!
いや、めちゃくちゃ話題に乗り遅れていてお恥ずかしいんですが、カタダインのビーフリーという、1分間で2リットルという超速度で浄水出来て、めちゃくちゃ軽くて、小さくて・・という三拍子揃っている商品が存在していて、今爆売れていると聞いて、速攻買ってしまいました。
ちょうど災害対策用に浄水器も必要だな、と思っていたので、悩む暇なく購入しました。
KATADYN BeFree カタダイン・ビーフリーレビュー
カタダイン社とは
私は存じ上げなかったのでAIに教えてもらったことをかみ砕いて書きます(テヘ)。
カタダイン社は、1928年創業の、スイスの浄水器メーカーです。
浄水器の世界トップシェアで、浄水器業界の技術的・マーケット的なリーダーとして君臨しています。
その信頼度は折り紙付きで、世界各国の軍隊や公的機関、国際赤十字などでも採用されており、自然災害の現場で人命救助に使われるなど、信頼性の高い製品として知られています。
また、日本での水道法で定められている食品分析センターによる試験厳しい審査にも合格しているので、製品としては日本製のもの以上に信頼できるといっても良いと思います。
ほぼ永遠に使えるセラミックフィルターの商品が有名です(byAI様)。
アウトドア用の浄水器には微生物(細菌含む)やバクテリアを除去するセラミックや中空糸のフィルターだけのものと、更に匂いや化学物質まで取る活性炭のフィルターも追加したものがありますが、一般的な登山に使う物は全て微生物・バクテリアを除去するフィルターだけのものが殆どで、今回購入したビーフリーもそうです。
ビーフリーの概要・スペック
容量 0.6L/1L
サイズ 8×6.5×27.5㎝/14×6.5×26.5㎝
重量 59 g/63 g
フィルター 0.1 ミクロンEZ-Clean Membrane(TM)
浄化能力 約1000L (水質によって異なる)
・ハイドラパックソフトフラスコ使用
・高速浄水
・99.9%の微生物・バクテリアを99.9999%除去
・手入れは水を入れて蓋をしてボトルを数回振るだけ
スペックだけ見てもとにかく軽くて速い、を謳っています。
ちなみに、ハイドラパックの一般的なフラスコと同じ口径仕様なので、様々なものにつけられます。
カタダインの浄水器ビーフリーのレビュー
箱。今回は色々と考えた結果、600ccのものを購入しました。
何の変哲もないです。
ただ、各国語対応の為、めちゃくちゃ分厚い説明書が付属します。
それだけ売られているという事か。
中身じゃじゃん。
ほぼただのソフトフラスコです。
浄水器の重みもほとんど感じません。
フラスコを除く本体部分の重量は実測46gでした。
ソーヤーミニの本体41gと比較しても引けをとりません凄い。
この中空糸の束が浄水してくれるらしい。
良く見るとめっちゃ小さい穴が開いています。
キャップの先端は食品と同じように改竄防止キャップになっています。
一度開けたらそれがわかる、というやつです。
私は口を付けて飲むことはなさそうですが、ここから直接飲むことも出来そう。
ちなみにこの先端側のキャップ径はペットボトルと同じなので、フタが壊れてもペットボトルキャップを流用出来ます。
ということは百均なんかで売っているペットボトル用の各種飲み口なんかも使用できるものが多いと思います。
時々径が同じでも使えないものも有るので、そこは自己責任で使用、でしょうね。
そして、上で言った通りハイドラパック社製のソフトフラスコを使用しているので、サロモンやオスプレイ、ネイサンなどなどのハイドラパックOEMで、同じ42mm規格の口径のものなら接続出来ます。
また、類似品の42mm企画のソフトフラスコなんかにも付けられる可能性はありそうです。
オスプレイのソフトフラスコに付けてみました。問題なく使用できます。
実使用レビュー
実際に一泊二日の行程で、山で使用してきました。
水場と言われる清水だけでなく、沢の水にも使用しましたが、川水臭さや苔臭さはほとんど感じませんでした。
まあ結構な標高の水なので当然と言えば当然なんですが・・・。
スペック上はさほど匂いは取れないはずなんですが、むしろソフトフラスコの、あの私の苦手な匂いの方がずっと気になります。
そして、わかっていた事ではあるんですが、あらためて驚く浄水スピードの早さ!!
本当に浄水されているのか疑ってしまうくらいです。
浄水器無しと変わらないスピード。
テント場の水場で某ソーヤーの浄水器で浄水してボトルに移して・・・と長々とやっている人を見ましたが、その様子を見て本当にビーフリーを買ってよかったと思いました。
彼は水を汲んで浄水して他のボトルに移して、を2回繰り返していたのですが、恐らく5分以上は水場を占有していたので、5,6人並んでしまいました。
私はというと、1分程度、しかも手間もほとんどなく1.8Lの水を得ることが出来たわけです。
しかも付属のフラスコは少し水が入っていれば自立する(空でもギリギリ自立します)ので、そういうところも使いやすいです。
途中の水場でもタイムロスがほとんどなく水を補給していけるので、特にトレランスタイルの人には一択なんじゃないでしょうか。
まとめ
良い点
- 浄水速度が速い!
- 本体が軽い!(46g)
- 収納性が高い!(フラスコも丸められる)
- ハイドロパックと同じ仕様なので汎用性が高い
- 半自立する
- 実売6500円程度と安価
悪い点
- ソフトフラスコ臭さが気になる
- ウイルス、化学薬品、放射性物には使えない
- 泥水や濁った水、海水の浄水には使えない
- 寿命は他の製品と比較すると短い(1000L)
浄水速度は実測10秒程度でカラになる、ほとんど浄水器無しと変わらない速度でボトルから出てきます。
ストレスゼロです。
こんなものを待っていました(存在に気付いていなかっただけ)。
元側はハイドロパックと同じ口径、口側はペットボトルの口元と同じ口径なので、色々と工夫次第で使えそうです。
そのまま重力式としても使えるほどのカートリッジなので、なんの力も必要とせずに浄水出来るのも本当に楽。
吊り下げ式の物も公式に市販されていますが。
今回、600mlを購入しましたが、実際これが一番使い勝手がよいと思います。
500mlのフラスコやボトルに満タンにしていけるので充分だし、1Lだと他のボトルに注ぐ時に多少やりにくさが出てきそうですし。
トレランベストなんかの胸のボトルホルダーには満タンでもちょっとキツ目ですが入ると思います。
入らなくてもちょっとだけ水を抜いてしまえばいいだけなので、ちゃんと入ります。
トレイルランナーだとコレ一択かな、とさえ思います。
水場では圧倒的速さで補給出来ますから、これ以外を選ぶ理由はありません。
ただ、ハイドラパックのフィルターキャップは逆にカタダインのOEMか部品提供みたいで、ほぼ同様の性能・値段ですから、人によってはこちらの方が良いかもしれません。
個人的には「水場で汲んだ水ならそのまま飲んでも大丈夫だろ」と思うんですが、災害用も兼ねて、と考えると、購入するのはオススメ出来ると感じました。
ハイドラパック系のソフトフラスコを持っている人はカートリッジのみでも良いかもしれません。