カモシカロングトレイル

トレイルランニング・登山・ULハイク・マラソン。書き捨て御免。※本ブログはプロモーションが含まれています。

3大アクティブインサレーション素材を試した感想と比較

3大アクティブインサレーション素材を比較


まず初めに言っておきたいのですが、※個人の感想ですということ。

速乾性だの保温性だの、実験して数字を基にして書こうかと思ったのですが、保温力にしても速乾性にしても、それが実際の使い心地というか着用しての能力で比較しなければ意味がありませんので、結局N=1の、私の感想だけに止めようと思います。

 

今回比較するのは以下の三つ。

PrimaLoft® Active

 

POLARTEC ALPHA® DIRECT

 

TEIJIN OCTA® CPCP

 

それぞれの比較には以前紹介しているウェアを使っています。

ですから、純粋な素材自体の優劣ではありません。

ちなみに、重量は3つともほぼ一緒。OMMのコアのみフードが有る上に115gなので微かにアドバンテージがあります。

 

また、OCTAはCPCP以外にもダブルラッセルの格子状のものなどが有り、更にどうも製品によってかなり色々な生地に仕上げてあります。

ポーラテックアルファダイレクトは60、90、120と保温力で3種類あるのですが、どうも毛足の長さなどで更に別と思われるものも有り、今回の結果が素材の優劣を決定づけるものではない事も付け加えておきたいです。

 

保温力の比較

保温力を得るには色々な方法が有りますが、衣服としてはいかにデッドエアを保持できるか、にかかっています。

もちろんクローズドセルのクッションの様に完全に密閉するわけにもいきませんから、より空気の動きを制限する構造を作る事が必要になってきます。

現実的にはダウンや獣毛、科学繊維などで空気の勢いを受け止め、そこに暖かい空気が留まるようにするのですが、そうなると湿気を含んだ空気も留まる事になり、快適性が減少します。

 

そこで保温力をある程度維持したまま通気性を高めるためにグリッド構造のフリースが現れ、後を追って様々なタイプの保温力を保ったまま通気性がある素材が生まれ、アクティブインサレーションといわれる分野のウェアが人気となってきました。

Power Grid™ | Technical Fleece | Polartec®

中でも今回比較する3つは、多数あるアクティブインサレーションの中でも特に通気性が高く、トレイルランニングやハードなハイクアップ中の行動着として使えるだけでなく、軽量であるので使い方によっては高い保温力を停滞時に叶える事が出来る、という夢の様なウェアです。

 

では私が実際に着てみた、保温力における感想。

まず、アクティブインサーレションの上にウィンドシェルやヘビーな保温着などを着た時や、室内などの無風時においては、アルファダイレクトが最も優れているな、と思いました。

恐らくこれは、ポーラテックアルファダイレクトが表地にも裏地にも同様にフリースが配置されているため、デッドエアの嵩を稼ぐことが出来ているからですね。


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圧倒的に真ん中のポーラテックアルファダイレクトが嵩が出る

 

ただこれが少しでも風が有ると印象が変わり、あまりにも通気するために、ちょっと走るだけでも寒く感じやすいのもポーラテックアルファダイレクトでした。

逆にオクタは室内では物足りない暖かさですが、強烈な風が吹いてもどこか暖かさを保ってくれるような感じが残ります。

恐らくこれは中空素材だからというだけでなく、異形断面、絡み合った繊維構造ということで、他の素材よりも空気を逃しにくいからではないかと思います。

Octa® | オクタ® | 製品情報 | 帝人フロンティア株式会社


ただプリマロフトアクティブもポーラテックアルファダイレクトと比較すると圧倒的に風には強く、通気するのにもじゃもじゃの繊維の中に暖かさをある程度閉じ込めたままでいてくれるような印象があります。

 

グラフにすると以下の様な感じ。

単純にどれが優れているか、とは言えないのが難しい。

使いやすさも、ウィンドシェルとの組み合わせや活動する山域、気温などでいくらでも優劣は変わると思います。

また、意外に見落としがちなのですが、ポーラテックアルファダイレクトはサイジングの問題や、汗で濡れて身体に密着してしまうと、裏地側のフリースが潰れてしまい、保温性がかなり損なわれます。

逆にオクタやプリマロフトアクティブは身体にある程度フィットしている方が保温性能が高くなるような気がしますし、こちら二つは濡れてもあまり保温力は落ちません。

 

吸汗・吸水力

どの素材もかなり吸水性は高いのですが、プリマロフトアクティブの吸水性は異次元です。

体感で一瞬で汗を吸い尽くしてくれます。

そして吸っても吸ってもまだ吸ってくれるのもプリマロフトアクティブ。

それなのに裏側に凹凸構造を作っているので、肌離れも良く、汗冷えもしません。

正直タオルが必要なくなるレベルです。

 

オクタも吸水性は高いし、濡れても裏側の毛で繊維全体が皮膚と離れているからか、快適ではあります。

ポーラテックアルファダイレクトは正直言って物足りません。

それに濡れると裏地の繊維が潰れてしまうので、他の二つと比べると明らかに快適性は落ちますし寒くなります。

速乾性

速乾性はほぼ同じように感じました。

ただ、異次元に吸水するプリマロフトアクティブが他の二つと同じように乾いていく、というのは驚きました。

どの素材も全体を見ずに沈めても、軽く絞ったら着て10分もすれば気にならないほど乾き、30分もすれば完全に乾きます!!

嘘だろ?と思うほどの速さ。

なので速乾性は3種類とも互角だと思います。

 

耐久性

耐久性は圧倒的にOCTAです。

私は1年使って来て藪漕ぎも何度もしたし、OMMではトゲトゲ地獄の中を通ったりもしましたが、よく見ればここに跡あるかな?程度しかダメージはありませんでした。

脱いだり、着たりで気を遣う事は全くありませんし、生地もしっかりしていて洗濯も乾燥機まで回していますが、30回くらい洗って今のところ全く問題なし。

ポーラテックアルファダイレクトとプリマロフトアクティブは購入して日が経っていませんが、どちらも洗濯は手洗い推奨、乾燥機も回さない方が利口です。

そしてどう考えても藪漕ぎは不可能です。

特にプリマロフトアクティブは普通に脱いだり着たりでも破れる可能性も高く、一緒に着た服に、抜けた繊維が残るほど耐久性も低いです。

 

オクタ>>>>ポーラテックアルファダイレクト>>(普通に着られる壁)プリマロフトアクティブ

くらいの差があります。

普段のジョギングでOMMのCOREを着ている人がいたら恐らくリッチマンですから、独身の女性はそいつと仲良くしておいた方が良いでしょう。

 

総評

総評としてグラフにしてみましたが、耐風性は通気性と表裏ですし、保温性も単純に高ければ良いという物ではありません。

 

こうやって比べてみても、アクティブインサレーションの中でどれがオススメか、と言われると難しいです。

ただ、性能的にはプリマロフトアクティブかオクタかな、と思います。

 

しかし・・・ポーラテックアルファダイレクトは断然、見た目がカワイイんです。

デイリーに使っても全然おかしくない風合いだし、普通のセーターとして街でも着られます。

オクタCPCPはスポーティーすぎるし、プリマロフトアクティブはなんか変なモコモコスケスケおじさんみたいになるし、で、見た目は正直ポーラテックアルファダイレクトの圧勝です。

 

今後の事を考えるに、色々なタイプの生地が出てきているOCTAでもっと見た目がマシなものが出てくるのを期待する一方で、プリマロフトアクティブの耐久性が劇的に上がりさえすれば最強になる気もします。

というかTEIJINがOCTA繊維でまるっとプリマロフトアクティブの編み方を真似しちゃえば良い気もしますが・・・まあそう簡単にはいかないんでしょうね。

 

という事で一長一短、このまま3着を使いまわして2024年を過ごすことになりそうです・・。