皆さん、鈴木ともこさんって皆さんご存知でしょうか?
「山登りはじめました」という漫画を描いていらっしゃっる方です。
この方の本に、燕岳が出てきます。
山登りはじめました(めざせ!富士山編) (MF comic essay) [ 鈴木ともこ ]
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 地理 > 地理(日本)
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- 価格: 1,188円
この漫画を読んで以来、小4の娘は、燕岳にぞっこんでした。
いえ、燕岳以外にも様々な山が紹介されていて、山が好きになったようです。
せっかく好きになってくれたのだから、娘の「燕岳に登りたい!」という望みを叶えたい。
ただ、燕岳の登山口である、中房温泉は、シーズン中の平日でも、早朝着だとなかなか駐車場の確保が難しいです。
この燕岳登山口駐車場は第一から第三まであって、第一と第二は登山口から500Mほどなのですが、第三はそこから更に下ります。
お盆休みに入っている方もきっと多いので、早朝着では駐車場を確保できない可能性もありました。
それに週間天気予報では、北アルプスは台風の影響の残りか、登山予定日の天候が悪い。
そういった理由で、燕岳を諦め、他の山を模索していたのですが、どうもしっくりこない。
しかし、前々日になって、天気予報は良化。
そして・・なんと娘が「車中泊もしたい!」と言ってくれたのです。
これですべて解決です!
いかにシーズン中の燕岳駐車場とはいえども、前日着の車中泊で駐車出来ないなんてことはないだろう、と考え、急遽当初の予定通り、燕岳に向かいました。
山行予定
一日目
5:30駐車場発
10:00合戦小屋
11:00燕山荘
12:00燕岳
13:00燕山荘
二日目
6:30燕山荘
7:30合戦小屋
10:30登山口
エスケープルートの設定は無し。
天候悪化時は下山か、合戦小屋、燕山荘を頼るか、各ベンチでビバーク。
ケガなどの場合は出来るだけ担いで下山。
持ち物
防寒具:二人分、摂氏10度くらい設定(フリース有り)
雨具:フル装備、靴のみ二人とも防水無し、代わりにウールソックス。
非常用:ツェルト、ポケットストーブ、非常食、ファーストエイドキットなど。
水:合計5L。
着替え有り。
娘の体力次第では日帰りの予定。
その為、燕山荘の空きは確認済みだが、予約は入れず。
登山口駐車場
前日は夜の10時頃に、第一駐車場に到着。車は10%~20%ほどの駐車率です。
愛車エブリイの後ろにマットレスと布団を敷き、家と変わらない安眠スタイルを作成!
網戸をして、目隠しをして寝に入ります。
娘は一瞬で寝ました。
次々に車が入ってきましたが、さほど気にならずに私も寝入る。
しかしすぐに隣に止まった車が車中泊の準備の手際が悪いのか、ライトを煌々と付け、ガサガサ、ドンドン。
20分くらい。
私は車中泊歴短いですが、家か直前のサービスエリアやなんかで大部分は済ませておきますけど・・・。
登山口の駐車場はものすごく静かなので、結構迷惑になります。
娘が寝れていたので、別に良いのですが。
そして彼の準備が終わり、私も寝入る。
ところが。
夜中の一時頃、目の前に車が駐車、しかしヘッドライトつけっぱなしで、男女4人くらい?のグループがキャッキャウフフな会話を響かせる。
それも10分くらい。
さすがに我慢できず、車を降りて「色気づくなら町に降りてラブホにでも泊まれ!羨ましいだろうが!」と言いたい気持ちを抑えて、車内で少し携帯をいじってから寝ました。
再度起きたのは4時。
いつも通りの起床時間。既に駐車場は一杯です。
恐らく、朝4時着では第二駐車場も危ういかも知れません。
確実に止めたいのなら車中泊しかないでしょう。
起床、駐車場を出発
朝の5時までまどろみ、娘を起こして、朝食をとって、準備をしたらトイレに行って出発です。
ここには簡易トイレがあるので安心。子供が使うには汚いですが、有るだけありがたいです。
場所は下の写真の左側隅。
続々と登山者が登っていく中、私たちも続きます。
500Mほどアスファルトの舗装道を登ると、燕岳登山口です。
登山ポスト、キレイなトイレはここにあります。湧き水もありますが、ここで体を洗うなどという不遜な行為は控えた方が良いと思いますね。
もう一度書きます、湧き水を占拠して体を洗うなど、止めた方がいいです。
登山開始
登り始めます。
とても整備された良い道。
そこそこ渋滞していますから、自分一人の時はペースを上げられなくてつらい道。
しかし娘のペースはやはり大人よりも遅いらしく、予想通りコースタイムの2割増し程度で進みます。
それに、不整地を歩くのに慣れていないからか、歩き方が全くなっていない。
腰はへっぴり腰だし、何度も転びそうに。
ただ、まあまあ軽快に歩いていきます。
全てのベンチで休みながら、合戦小屋までは、なんとか到着。
合戦小屋名物スイカ!種まで美味しいです。娘はちゃんと種を出してます。
面倒じゃないのか?
他にも軽食も有り、大量のベンチとテーブル、それにトイレが有ります。一回100円の協力金。
念のため、トイレは済ませておくと安心です。
人が多く、離れた場所まで行かねばならない、この先のお花摘みは滑落リスクが高いですから。
合戦小屋を出てすぐから、娘の足が止まりがちに。疲れてはいないが、足がパンパンだそうです。
ガンバれ。
ここからは根性です。
そして稜線に出ます。
絶景。これを見せたかった。神様なのか仏様なのか分かりませんが、ありがとう。
しかしこの時点で11時。11時までに山頂に登頂していなければ泊まるつもりだったので燕山荘に先にチェックイン。
空きは確認済み。
予定通り、一人一畳分で行けそうです。本ログの、素晴らしいデザインの山小屋です。
登山証明証を貰えました!どこか誇らしげw
今日はこの布団二枚分スペースを二人で。
子供のザックだけおいて、燕岳へ向かいます。
私は心配性なので、自分の装備は丸々持っていきます。
あそこへ向かいます。
そして登頂!ここまでザレザレなので、娘は怖がってろくに歩けず・・担いで行きました。
実は合戦小屋からも3分の一くらい担いで来ました・・。詳細は書きませんが、娘にしてやられたw
そして燕山荘へ帰投。
からのおやつタイム!
さすがに子連れでビールはダメでしょ。
でも酎ハイなら良いよね(謎理論)。
晩御飯は5時と6時の二回に別れます。
名物チーズインハンバーグ!
下界と変わらない料理です。
これは凄いことなんですが・・これを当たり前だと思われると他の山小屋に泊まれません。
ごはん、お味噌汁、佃煮、漬物、以上。みたいな料理も、小さい小屋では普通です。
その後、夕焼けの景色を眺め、日の入りを待つも、雲で見られませんでした。
ちょっとしたカミナリショーはみられましたが・・。
8時には布団に入りました。
同じスペースは5歳男児(!)連れのおとうさんだけ。十分な広さ・・・のはずが!
寝入ってすぐ、隣の男の子が90度回転して頭突きしてくるわ娘とその子がくっついてきてぎゅうぎゅう詰めになるわで、とても狭かった・・・。
家では5歳の娘が全く同じことをしてくるので、家と同じ状況です!
ここまで登ってきた逞しいこの男の子、他人の子でなければ攫いたかったくらい可愛くて!
お陰でなんかすごいリラックス出来て、熟睡できましたw
翌朝4時に起床。目をつぶったまま色々と考える。
4:50分。子供を起こして日の出を見ます。
私は寒さには強いので分かりませんでしたが、子供には寒い様子。
万が一を考えて持ってきた防寒具と雨具を着せたらちょうど良かった。
朝御飯は四時半と五時半の二回。待たずに入れます。
この日も快晴。娘の初北アルプスは、最高の天候と眺望で幕を閉じそうです。
名残惜しいですが、下山を開始。
さようなら、北アルプスオールスターズの皆さん。
しかし下りも娘にしてやられた。
時々担いで降りました。これがなかなか良いトレーニングになります。
(※危険ですので真似しないでください)
こうして娘の人生初の本格登山は、ちょっとズルしつつも、最高の眺望を楽しんで終えたようです。
故障していた足は、多少痛みが増したかな?くらいで済みました。
まだ走れはしないかな。
わたし、長い事、山をやってきましたが、初体験ばかりでした。
コースタイム以下のペースで歩いたこと。
終始話をしながら歩いたこと。
人を担いで登ったり下りたりしたこと。
子供が歩ける足場を気にしながら歩いたこと。
花や草木、鳥を見ながら歩いたこと。
花や草木、鳥の名前も娘に教わりましたw
しかし、これまでで一番幸せな山行でした。
出来ればあと何回か、上の娘も山に一緒に行ってくれるといいのですが。
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