マウント・レーニア。
別名、タコマと言います。
周囲を回る150kmにも及ぶロングトレイルが人気で、毎年沢山の方が踏破します。UTMFみたいで、面白い行程ですが、この山の神髄は、やはり山頂を目指す、本格的な登山路です。
季節・天候によってはヒマラヤを超える難易度となり、これまでも数多くの方が亡くなって・・・って違うわ。
私が好きなのは、こっちです。
マウントレーニアが、好きなんです。
今週のお題「平成を振り返る」を見て、思いました。
私、平成の間、ずっとこのドリンクが好きなんです。
初めて飲んだ瞬間、子供ながらに戦慄を覚えました。
上質でまろやかな舌触り。香ばしく、奥の深い香り。これでもかというほどの圧倒的な甘さ。
子供の頃、私はひどく貧しかったのですが、正直言って、これ以上に美味しい飲み物を飲んだことがありませんでした。
否、現在までこれ以上に美味しい飲み物を飲んだことがありません。
東京に住んでいた頃飲んだ、日本一の誉れ高い、赤坂の某喫茶店のコーヒーよりも。
自分ではとても注文できない値段の、世界一と謳われた、あのワインよりも。
私はマウントレーニアが美味しいと思うんです。
はい、知ってます。
「あんなのコーヒー牛乳じゃねーか、コーヒーじゃねーよ」とか、
「アレはデザートだ、コーヒーじゃねーよ」とか、
「あんなクソ甘いもん飲んでたら糖尿病になるわ」とか。
社会の圧倒的多数派は、徹底的に我々マウントレーニア派を叩いてきます。
しかしですね。
私は貧しかった青少年時代も、無駄に羽振りの良かった東京での日々も、ランニングで30キロ走をした後も、登山で熊とにらみ合った後も。
私が飲んできたのはマウントレーニアであって、社会の多数派が礼賛するスタバのコーヒーでもなければ、専門店のコーヒーでもないです。
クソ甘くてそのあとドーナツ食べると甘さを感じなくなる、あのマウントレーニアなんです。
山に入る前、降りた後、飲みます。多分体にはよくないです。
なんならトレランのレースにも持っていきます。
来月の道志村トレイルレースで山中でマウントレーニアをちゅーちゅーしているオッサンがいたら、それが私です。
胸のドリンクホルダーにマウントレーニアが入っていたら、それが私です。
味?カフェラッテに決まっているじゃないですか。それ以外は邪道です(全部飲むけど)。