こうなったら買うしかないよね
エンライトイクイップメントの商品のレビュー第4段目です。
当然ながら自腹レビュー。
もう正直、私のライフはゼロです。
年を越せません。
とりあえず肝臓あたり売ろうかな、と考えてますので欲しい方連絡下さい。
50億円くらいで売ります!
さて。
最後に紹介するのは、エンライトイクイップメント、ヴィスプレインジャケットです。
トリッドジャケットと一緒に着用する事で最高のジャケットシステムが完成する・・・みたいな事書かれたら買うしかないじゃん!!
そして名品と謳われたこのジャケットは2年ぶりの復活。
しかも今回作ったロット限りの数量限定品。
再販の見通しは無し。
買うしか無いじゃん!(2回目)
ただ、ちょうどゴアテックスのシェイクドライが終売、という事もあり、その代替品を探していたので、いい機会ではあります。
というかゴアテックスが延伸PTFEの生産自体を止めていくみたいですからね。
延伸PTFEは特許が切れていっているのか、中国のメーカーがめちゃくちゃ安く作り始めたので、自分たちは代替技術を開発し、むしろ「テフロン系のメンブレンは環境に悪い」みたいにゲームチェンジした方が勝ち残れると判断したのかもしれませんね。
話しは逸れました。
という事でエンライトのレビュー第四段目VISP RAIN JACKETのレビューです!
ENLIGHTENED EQUIPMENTヴィスプ レインジャケットのレビュー
VISP RAIN JACKETのスペック
重量 173g(Sサイズ)
表地/メンブレン/裏地 7Dリップストップナイロン/親水性PU/トリコットナイロン
透湿性 (MVTR): 83,000 g/m²/24hr。(JIS L1099 B-1)
防水性 10,000mm H2o (AATCC 127-17 (2018) E)テストクリア
価格 250$
特徴
各部調整、ピットジップまで付いた3レイヤーのレインシェルとしては恐らく世界一軽いと思われます。
防水性は10000mmと、一見するとかなり低いように思いますが、このように「10000mmの耐水圧試験はクリアしたよ」という表記がアメリカのアメリカのメーカーで多くなっている様に思いますね。
それ以上の耐水圧をAATCC 127テストでクリアしたところで無意味なんですよね、恐らく。
確かに、実際にそれ以上の水圧がかかるシーンなんて存在しなくて、水が染みてしまうシーンというのは膝立ちとか岩の上に座るとか、そういう生地への摩擦や外的固形物による圧力の問題になるので、無理にこの試験の結果を重視しても「なんとなく丈夫そう」以外の意味は無いのかもしれません。
昔バイクで雨の中高速走ったりしてたころも使ってた雨具は耐水圧8000とかでしたけど全く問題なかったですしね。
体感的には濡れた地面に膝立ちしなけりゃ耐水圧は10000あれば余裕です。
さて、そして。
透湿性は83,000 g/m²/24hr!!
スペック上はゴアテックスシェイクドライを越えます!!
ただ、これも実用域の透湿性能と乖離があると最近よく言われるようになっている試験方法です。
ほとんどのメーカーが採用しているので比較はしやすいですが簡単には信じられません。
しかしこの数字は凄い。
ヴィスプレインジャケットのディテール
まず重量。
アレ全然軽いじゃん!!!
34gは誤差ではないでしょうww
私のだけおかしいのか???と、英語レビューを漁っているとどうやら公式の表記がおかしい様子。
139g・・・。
私がメインで使っているシェイクドライの120gに迫る軽さです。
これは嬉しい驚き。
表地はまさに7Dリップストップナイロン。カレンダー加工などがされていない、生地感のあるざらっとした感じです。
裏地はめちゃくちゃ薄い糸でトリコット網された生地。
見るからに通気性が良さそうです。
肌触りもめちゃくちゃ良い。
近年はもっぱらトラレン用の2レイヤーや2.5レイヤーの生地ばかり着ているので、異次元な心地よさに感じます。
3レイヤーという事もありますが、200gを切るレインジャケットの様な脆さは感じません。
ざっくりしたイメージで申し訳ないですが、300gくらいのレインジャケットな感じ。
さてさて。
エンライトイクイップメントがオススメの、TORRID JACKETの上に着てみました。
175cm65kgでSサイズ着用。
・・・当たり前ですがピッタリ!!
ネックは高く、裾・袖は長め。
フードは余裕があるので、作りはかなりハードシェルに近いものになっています。
ピットジップも良い。というかピットジップ、私大好きなんです。
ほぼ常に開けてます。
袖はベルクロ。安っぽいものでは無いけど軽い。
これどこのなんだろうか??凄く良い。
当然止水ジップで、裾やフードはショックコードで絞れます。
フード、少しだけツバがついているんですが、これがまた良い。
トリッドジャケットとヴィスプジャケット、どちらもメンズの同じサイズを選べば何もかもピッタリという事ですが、それにしてもこの組み合わせだと雨が入る箇所が有りません。
トレラン用のレインジャケットだともっとギリギリのシルエットが多く、下に保温ジャケットを着るとパツパツになるのですが、コレはかなりリラックスして着る事が出来ます。
なにより良いのが、ロゴマークやブランド名がほとんど記入されていない事!!
後頭部のこの部分だけです!
この「どこのだろうアレ??」感がめちゃくちゃ良い。
ここまで良い事だらけです。
実使用レビュー
ディテールもスペックも素晴らしい。
しかし、レインウェアは使ってみないと分からない。
という事で暫く使っていました。
このレインウェアは親水性無孔ポリウレタンというメンブレンが使われています。
東英通商のVENTEXみたいなもの(もしくはそれそのもの)だと思います。
一般的な防水メンブレンは空気は通すが水は通さない小さな穴の開いたフィルムですが、この親水性無孔ポリウレタンは逆に親水性を与えています。
簡単に言うとめちゃくちゃ薄い紙みたいなもので、水分を吸ってさっさと外側に逃がす事で透湿性能(というより除湿性能なんでしょうけど)を保持させています。
さて、まずは着て走る、走る。
このジャケットをシャツの上に着て走りだして、めちゃくちゃ驚きました。
とにかく快適です!!
いつもなら蒸れている暑さでも蒸れない。
あっというまに湿気が取られるイメージ。
ただ、5キロも走り続けると除湿性能の限界になるのか、普通のゴアテックス(透湿性30000g/m²/24hrくらいの)ジャケットと同じ様な感じに・・。
数値上は同じレベルであるシェイクドライのジャケットには全然及びません。
「まあそんなもんだよな・・・」とは思っていましたが、一つ凄い事に気付きます。
全然結露しない。
シェイクドライでも他のレインシェルでも普通は寒い中で走ると結露するんですが、全然結露しないんですよね。
試しにコップに熱湯を入れてこのシェルで蓋をしてみましたが、これでも結露しない。
どーゆーことなの!?
あ、ちなみに蒸気はちゃんと通過してました撮れてないけど。
これが親水性ポリウレタンが水分を吸っているからなのか、トリコット網の裏地が空気層を形成して断熱をしているからなのかは分かりませんが、事実として結露しないんですよね。
雨の中登山したり走ったりする人には分かると思いますが、コレはかなり凄いことです。
普通はどんなに透湿性が高くても結露しちゃうので、レインウェア着て汗をかくならどっちにしろ結露や汗で濡れるんです。
それがない。
ただ、もちろん蒸れてきて暑くなってきたら汗で内側が濡れるので、走りまくったら同じことなんですが。
また、蒸れるほど走らないならこんなに快適なレインジャケットはあまり有りません。
特に、トリッドジャケットと併用した時の快適さは群を抜きます。
トリッドジャケットと併せても、たったの367gで、超軽量の完全防水保温ジャケットにもなるって素晴らしい。
トリッドジャケットに合うように作られているので、何もかもがピッタリ。
しっくりきます。
よく、保温ジャケットの上にレインを着ると、下から保温着がはみ出て濡れたりするんですよね。
この組み合わせは隙間が出来ないので、濡れる事もまずありません。
まとめ
良い点
- 3レイヤーとしてはトップクラスに軽い
- シルエットに余裕が有り動きやすい
- ピットジップ、袖のベルクロなど調整が効く
- 肌触りが良い!!
- シェイクドライほどではないが蒸れない
- ガサガサ音が少なく、滑らか
- 意外と丈夫
悪い点
- 透湿性は数字(83000mmH2o)ほどではない
- もうすぐ手に入らなくなる
- 日本では購入できない
- メンブレンがポリウレタンなので劣化しやすい
- 防水性は低いので濡れた地面に座ったり膝立ちは注意
今回購入して、世界中のトリッドジャケットの信者の人が復活を待ち望んでいたのがよくわかりました。
VISP JacketとTORRID Jacketは一緒に使うと最高に良い。
間違いない。
ただ、親水性無孔質ポリウレタン、というのはまだよくわからないメンブレンですね。
使い始めはすーっ、っと蒸気とか水分を吸うのは凄い、これは本当に凄い。
でも途中で頭打ちになってからは普通のゴアテックスみたいな感じに。
晴れているとめちゃくちゃ蒸れにくいような気もしますけど、まだよく掴めていないです。
今後、透湿防水シェルの主役となりえるんでしょうか???楽しみです。