カモシカロングトレイル

トレイルランニング・登山・ULハイク・マラソン。書き捨て御免。※本ブログはプロモーションが含まれています。

コスパ最強!ジェントスの新作GD-180Hがトレランに良さそう

OSJ ONTAKEに向けてフラッグシップ級のヘッドライトが欲しい

さてまたオンタケの話から。

去年、というかこの数年、ペツルのティカを使ってきましたが、色々と考えているうちに、新しいヘッドライトが欲しくなってきました。

ペツルのティカは軽い・安い・明るいと、とても良いヘッドライトで、登山用ヘッドライトとしては長年のベストセラー品なのですが

 

軽い為に、長時間のトレラン用としてはバッテリー容量が小さく、(乾電池使用だと)明るさが速く落ちていく、というのが不満でした。

また、白色の光なので、雨の日だと雨に反射してヘッドライトは前が見にくい。

雨だと外して腰くらいにもち、より地面に近い場所から照らすとよくみえるのですが、ずっと手に持っているもなかなか煩わしい。

 

なにより、単純に「新しい良いものにして気分アゲてーな」という理由(これが9割)から、各メーカーのフラッグシップをこのところ眺めていました。

 

オーバーナイトレース用のヘッドライトの選び方

本題に入る前にトレランのオーバーナイト用のレースに私が思う選び方を書きたいと思います。

因みにオーバーナイトのレース自体は全然経験少ないですから、そんなに真に受けなくても結構です。あくまで私の選び方。

ただ、登山用ヘッドライトは、昔々のLEDに切り替わる頃から買っていますから、ある程度は分かっていると思います。

今のトレラン用ヘッドライトの気になるところ

その前に今のトレラン用のヘッドライトに物申す、的なヤツ。

まず、ライトの持続時間表示。

「XXXlmがYY時間」とかを売りにしている物が多いのですが、あれはそのまま信じちゃダメです。

「最初はXXlmの明るさでそこから下がるけどなんとか足元を見られる明るさ保ってるのがYY時間後」という意味でしかありません。

例えば300ルーメンが10時間持つ、と書いてあっても、1時間後には50ルーメンを切ってしまうかもしれません。

我々としては走るのに必要な明るさがどれだけ持続するかが知りたいのに、それをちゃんと書いているところは驚くほど少ないです。

 

なので、以前からトレラン用のヘッドランプを探すときは、本当に嫌気がさします。

 

実際にはヘッドライトの光量は以下のグラフの様に低下していきます。

ペツルHPより引用

ただ、各社、この一、二年に出してきているライトは光量をしっかりとコントロールして、実用域の光量を長く保てるようにモデルチェンジしたり新たな商品を投入したりしていますので、LEDチップの進化もありますから、より新しい物を選ぶのが安心なようです。

必要なルーメン

さて本題。

必要なルーメンですが、岩ゴロゴロみたいなテクニカルなトレイルの下りを走るならマジで1000lmくらい欲しい事があります。

そういう時は別にハンドライトを用意して上から照らすとめちゃくちゃ見やすいです。

ultratrail.hatenablog.com

 

しかし、それ以外の普通のシングルトラックなら300lmあれば充分だと思います。

私は夜目が効く方みたい(逆に日光に弱い)で、100lmあれば充分に感じます。

オンタケ100の様な林道ならぶっちゃけ50lmでも全然いけました。

というか昔は50lmのヘッデンでも結構明るいとされていて、それで散々夜歩いたもんです。

 

月明かりがあれば、恐らくどんな人でも、林道はまあ無くてもなんとか歩けます。

しかし、雨が降ってたり、道の様子を見たり・・・なんかを考えると、やっぱりレースには最大300lm、常用100lmくらいは欲しい。

問題は、その100lmがどれだけもつか。

具体的にはちゃんと朝までもつか、という事なんですが。

軽さ・着用感

私が昔からものすごく気になるのが、この軽さです。

何故ならば、キツくヘッドバンドを締めると頭痛がしてくるタイプの人間なので、重たいのはダメなんです。

重さだけでは一概に言えませんが、100g超えてくるとソコソコきついです。

軽い軽いティカでさえ、時々外さないと無理。

そういうのもあって、以前からバッテリーボックスをヘッドバンドから外して、ザックに収められる物を探していました。

 

光の色

6000ケルビン程度の昼白色が人間にとってはもっとも視認性が高いそうですが、雨や霧の中だと2000〜3000ケルビン、赤っぽいオレンジ色の光が一番視認性が高いそうです。

実際に雨の中を走ると、自分の昼白色のヘッドライトはほとんど役に立たず、低ケルビンのヘッドライトを使うランナーの光がめちゃくちゃ頼りになったりします。

そういう場合はより地面に近い位置から照らすとマシになったりはします。

光を切り替えられたり、フィルターで色を変えることが出来ると便利です。

 

という事で本題の本題

そしてまあそんな感じで探していたら見つけてしまったのです。

あの!私を始め全国のガテン系の皆さんが絶大な信頼を寄せているジェントスから、トレランに超良さげな新製品が出ているのを!!

という事でレビューしたいと思います。

 

GENTOS GD-180Hレビュー

 

何故選んだか?

最初に、何で私がこのヘッドランプを選んだのかを書きたいと思います。

まず、LEDチップの性能が、各社のフラッグシップ機とほぼ同等です。

恐らく同じLEDチップを使用していると思われます。

このジャンルのLEDチップはCREEというアメリカの会社の独壇場なので、選択肢はそう多くないんでしょうね。

 

次に値段が安い。他のメーカーのフラッグシップ機と比較して、約半額程度です。

ちゃんと専用バッテリーも付属して。

そのバッテリーも安い上に手に入りやすいので安心。

また、バッテリーが無くてもアルカリ乾電池やエネループ単三が使用できます。

アルカリ乾電池だと右肩下がりに光量が落ちていくかもしれませんが、エネループプロなら安定して電圧を維持できるのと、ミニマム2500Ahの容量がありますから、重量比較で言うと18650電池なんかと比べても引けを取らない上に、普段もなにかに流用出来るので便利です。

また、バッテリーボックス・ヘッドライトがそれぞれ取り外しできるうえに、最初から延長コードも付属しているので、バックパックにバッテリーボックスを入れて、ライトをキャップ・胸・腰につける、という事が出来ます。

正直言って、この一点で購入に踏み切りました。

何故なら、ヘッドランプを長時間装着していると頭が痛くて痛くて仕方が無くなりますので、出来るだけ頭に着けるのは軽い物、そしてその時に応じて違う場所に付け替えられる、という物を探していたのです。

各社のフラッグシップ機との比較

モデル GD-180 MS-i1 NEO9R スイフトRL
メーカー GENTOS マイルストーン LED レンザー ペツル
実勢価格 7000円 13000円 13000円 13000円
明るさ/
持続時間
Hi 600lm/4h Hi 480lm/8h Hi 600m/5h Hi 550m/2h
Mid 300lm/12h Mid 260lm/11h Mid 200lm/12h Mid 210lm/5h
Low  50lm/35h Low  65lm/53h Low  20lm/120h Low  10lm/100h
重量 177g 175g 199g 100g
後部認識灯
防水防塵 ipx64準拠 ipx64準拠 ipx64準拠 ipx64準拠
バッテリー 専用充電池付 専用充電池付 専用充電池付 専用充電池付
その他 単三アルカリニッケル水素電池使用可能 18650形リチウムイオン電池使用可能(非公式)    

各社のフラッグシップと比較してもスペック上は遜色がありません。

あくまで、スペック上は、です。

また、他の製品は値段も拮抗しています。

もちろん、それぞれお値段分の価値はあって、ms-i1なら雨でも見やすい色温度と汎用性の高い18650を使える点、NEO9Rなら実用点灯時間の長さと7年の製品保証、スイフトRLなら自動調光によるストレスフリーで長寿命な機能と軽さ、など、どれも一歩も譲らない素晴らしい製品です。

しかしこのGD180も

  • 値段が安い
  • 充電式単三電池が使える
  • ジェントス製という絶対的な信頼感

というメリットが有ります。

 

機能・細部


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やはり全体的に産業用っぽさが抜けない。

トレラン用と謳っているワケではないので、他メーカーの物と比べるとどうしても芋臭さが有ります。


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メインのボタンは押しやすい。

このあたりの感度は私自身毎日使っているジェントスらしさを感じるし使いやすい。


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後部認識灯も点滅と点灯・消灯の切り替えが出来ますが、基本的にはレースには必要ないと思います。

コレがそのボタン。



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バッテリーボックスは捻って開ける形ですが、oリングもあり、他は密閉されているので雨にはかなり強いように思います。

 

重量的には頭頂部バンド無しでもギリギリいける。

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バンドの裏には滑り止めがあるので、まあそんなにズレないと思います。

もちろん、ヘルメットにも最適。

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そして重要なのはココから。

バンドからは簡単に外れます。
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そして付属の延長コード。


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コレをつけて、バッテリーボックスをザックに入れてしまえば、照明パーツはなんとたった43グラムになるのです!


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なので、キャップに取り付けても全然ストレス有りません。

こんな感じ。
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そして頭だけでなく


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胸や



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パンツなんかに引っ掛けても全然いけます。めちゃくちゃ軽いからですね。

こうやって取り回してみると、「バッテリーボックスはザックに入れておいてその時に応じていろんなところに付ける」という使い方がまあ出来ることを確信しました。これは期待通り。

 

実使用レビュー

実際にこのところ、色々と試していました。

まず、明るさ。

これは期待通り。

カメラで撮ってもセンサーや設定で違い過ぎて、わかりにくいだけなので公式の動画でなんとなく雰囲気を感じて下さい。

実際に使用するのはほとんどがMID300ルーメンのモードだと思いますが、実際に林道・ロード・シングルトラックで使用しても、十分な明るさだと感じました。

光り方は中心が明るく、周囲がぼんやりとしている、トレランに向いた光り方です。

かなりワイドなので、それも林道向けかな、と思いました。

持続時間は期待以上。

MIDで約5時間ほどは走れる光量を維持してくれます。

そこから段々と暗くなっていく感じです。

オンタケだと100キロなら4時過ぎには道は明るくなるし、人のヘッデン泥棒をしてバッテリーの節約が出来るのですが、マイルだとちょっと不安。やはり替えのバッテリーかエネループプロが必要だと思います。

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それだと重たくなるな・・と思うかも知れませんが、他のメーカーのフラッグシップもどうせ予備バッテリーは用意しないと厳しいですし、その予備バッテリーは容量に比例して思い。かつお値段もジェントスと違って高いので、これは全然受け入れられます。

気になるのは、バッテリー交換時、どっちが上か下か表か裏か、がわかりにく過ぎる。

GENTOSのロゴとロゴを合わせればよいのですが、暗闇の中では難しいでしょう。

また、クリップの様にどこでも付けられる、というわけでもなく、生地の厚い場所には挟めません。

 

ただ、その場その場で色々な所に着けられる軽さと手軽さは、他にはないな、と思いました。

クリップでライト部分だけを付けられるライトはちょいちょいあるんですが、延長ケーブルが別売りで、高い物がほとんど。

このバッテリーをザックに入れるセパレートシステムが最初から出来て、明るさも持続時間も値段もクリアする、というのは他にはないかもしれません。

 

まとめ

良い点

  • 安い!バッテリーも安い
  • ザックにバッテリーボックスを入れてライトは他に装着できる
  • 他メーカーのフラッグシップクラスの明るさ
  • 軽さのわりには持続時間が長い
  • エネループ・充電式エボルタが公式に使用できる
  • 信頼のジェントス製

悪い点

  • プラスチッキーで質感も全体に安っぽい
  • デフォルトのヘッデン装備だと装着感はイマイチ
  • バッテリーの入れ替えが手間取る
  • 充電しながら使用できない
  • バッテリーの容量が小さい
  • 生地の厚みが薄くないと取り付けられない

 

私と同じような使い方、バッテリーボックスをザックに入れてその時々でライトを取り付ける場所を変える・・・という事がしたい人には超オススメです。

ただ、夜通し着けるヘッデンとしては装着感、持続時間、見た目、などなど、他のメーカーのフラッグシップには負けてます。

それでもお値段を考えたら全然ガマンできるでしょうし、やっぱり全製造業従事者の信頼するジェントス製ですから、もし未だヘッデンを持っていないトレイルランナーがいたら、買って損は無いと思います。

特に、OSJ ONTAKE100キロには超オススメ!です。

0時から夜明けの4:30まで、しっかりとした明るさで林道を照らしてくれることでしょう。