私の長女は、小さなころから足が遅めで、とてもリレーの選手になるような足の速さではありませんでした。
それもそのはず。子供のころから外遊びはあまりしませんでしたし、本人の性格も体を動かすよりも絵をかいたり、歌を歌ったり、それどころか勉強しているほうが好き、という完全なインドア派でしたから。
幼稚園児の頃から、中の下。
その結果にはランナーとして親として少々の物足りなさを感じていましたが、本人はさほど気にしていない様子。
だから特別、なにもしていませんでした。
しかし小学二年生の夏休み前。
「父ちゃん、私、選手リレーに出たい!」
驚きました。まだ幼いと思っていた我が子が、主体的に目標を見出したことにも、それに対してやる気を出していることにも、その対象がこれまで全く興味のなかった体育であったことにも。
しかし、子供がやる気を出しているのですから、こっちも本気を出さないわけにはいきません。
そこで、子供の足を速くする方法を、たくさん調べました。図書館の本で関連するものはすべて読破しました。
どの本も、以下の様な事を言っています。
子供の足はこれをすれば早くなる!
その1 フォームを改善する・・・手を振り、膝を上げ、背筋を伸ばす
その2 力の入れ方を改善する・・・缶を潰すように足をたたき下ろす、ポンっと地面をける、後ろの足を速く戻す
その3 練習をする・・・坂道ダッシュをする、膝を伸ばしたままその場ジャンプ、スタートダッシュの改善
まとめると、以上の様な事です。おそらくこのブログを読んでいるようなガッチガチのランナーの皆様からしたら当たり前すぎて笑ってしまう内容です。
私も、皆さまと同じ感想を持ちました。「それが出来れば苦労しねーよ」と。
大人の我々がプロのトレーナーについてもらっても、フォームの改善や意識の改善なんてちょーーーーーーー難しいですよね。
ましてや子供、それもアマチュアのパパママが教えて身に着くわけねーよ、と。
そこで私はまず、周囲の子供たちで、圧倒的に足が速い子の共通の特徴を改めて考えました。足の速い子は、
いつも外で走っている、しかも全力で。
これだけです。もう、これなんです。あの子たち、なぜかいっつも走っているんです。
短距離といえど、子供と言えど、我々ランナーと一緒なんですね。
走っている奴が早い。
高学年になるとサッカーや野球をやり始めて、特に野球は全速力で走る頻度が極めて高い為、今も昔も野球部が短距離は早いし、中距離、長距離になるとサッカー部、バスケ部が台頭してくるのも、よく考えたら自然の成り行きです。
そう考えると、道は一つ。我々大人ランナーお得意の、質と量を上げたトレーニングをプラン通りに積むことです。
課したトレーニング内容
・週に2度、タバタトレーニング(下半身中心、筋力と後半の伸びの為)
・週に3度、50M走を4本
・毎日一緒に膝を伸ばしたままピョンピョンジャンプ
以上を2か月実施しました。 結果、中の下から2か月でリレーの選手に! その次の年も中の中くらいまで遅くなっていたので、同様のトレーニングで選手に選ばれました。
現代の子供たちは運動する場所も機会も少なく、短距離走の速い子が少なくなっています。
だから逆に、練習をさせれば、ある程度上位になるのは、当然かもしれません。ある程度、といったのは、やはり園児の頃から常に全力疾走しているような子にはどうやっても勝てないです。
また、低学年であったからできたことで、高学年になると郊外活動でスポーツをしている子が増えるので、こんなに生易しくはないと思います。
しかしこれを他の方にお勧めするのは、低学年で早く走れるようになると、ランニングフォームが美しくなるということです。
そのおかげで、娘は長距離では負けなしになりました。
そして最後に、このメソッド、私も付き合ってやりましたが、大人でも効果あります。
高校生の頃、ろくにスポーツをしていなかった私は100Mを15秒以上かかる鈍足で、この歳まで足が遅いと思い込んでいましたが、なんと100M14秒をコンスタントに切れるようになりました。
保護者リレーを控えたお父さんたちにこそ、オススメです!
- 作者:伊東 純也
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