冬季K2が制覇されました。
この件に関して、私は丁寧に書く知識も経験もないので、まず、この森山さんの記事を読んで欲しいと思います。
この記事の最後。
松原さんの言葉として語られる内容に、私は「はっ」となりました。
K2とマカルー(8463m)に登頂経験のある山岳ガイドの松原尚之は、今回のK2冬季登頂についてこのような感想を語った。
「冬季など、あえて厳しい条件のときに登って記録的価値を見出す登山は、今後減っていくのではないかと予想します。今回の登頂は、そうした登山に価値が置かれていた時代の最後を飾るものなのかもしれません」
登山の価値がかわろうとしている
確かに、アルパインやクライミングの世界は変わろうとしているかもしれません。
この十数年、未到のピークやルートほとんどなくなり、敢えて更に難しい季節、装備やルート、タイムを競ったりしてきましたが、それは恐らく「前人未踏の頂に建つ」ほどのインパクトもなく、世間の耳目を集める事も叶わず、ましてや大金を集めるには至っていません。
お金を集めるには能力や難易度以外の・・・言い方は考えるべきかもしれないですが、「上手な」人でなければ、お金は集められないのだ、と思う。
また、我々一般人の価値観の変化も大きいかもしれません。
テクニックや速さや強さを競う、そういう物を山に求めなくなっているのかもしれない。
いや、もともとなのか?
トレイルランニングというレースが存在するスポーツをしている私でさえ、山に入る時に「人と比べて早く登りたい」とか、「以前より早く走りたい」と思っては入りません。
「今日の山は忘れられない山だった」と思ったのは、難易度の高い山、例えば剱岳に初めて登ったり、冬の中央アルプスの稜線に初めて立った時の山ではありません。
私にとっては一昨年娘と始めて行った北アルプス。
これが多分、今までの十数年間で一番「いい山だった」と思う。
今後、どういうマウンテンアクティビティにお金が集まるのか
人々の価値観が多様化し、山に求めるものもまた多様化しているのは間違いないと思う。
登山する人でもピオレドール賞の存在すら知らない人も沢山いるし、エベレスト以外の8000M峰を知らない人も五万といます。
トレランをやっていても有名なランナーを一人も上げられない人もいる。
ボルダリングをやっていても・・・MTBも・・・そうなってきているのでしょう。
そんな中でも、人々が注目する人たちはいます。
やはりオリジナリティ溢れる山をやっていたり、WEBでしっかりと自己表現している人だったり。
私たちは、競い合う人を見るのに疲れたのかもしれない。
それよりも、人が描く、美しいシュプールを見ていたい。
美しいシュプールを描ける人の滑りを見ていたいのかも知れない。
私にとってはそれは、山野井泰史さんであり、ボルダリングの小山田大さんなんです。
そして何より、私が見ていたいのは、おっぱい登山Youtuberなんです。
そういうものを、社会は求めていると思います。