The 4100Dマウンテントレイルin野沢温泉2019で発生した遭難事故の最終報告書が公開されましたね。
http://s-mountain.com/wp-content/uploads/2019/12/The4100Dfinalreport.pdf
何度も読んでみました。
私は文量とか日本語の使い方とかそういうのは別に気にならなかったのですが、やはり知りたいことを知る事が出来ない報告書だなあ、というのが正直な感想です。
私も含め、トレイルランナーが知りたいことは
事故発生時、どうすればリスクを回避できるのか
という事だと思います。
自分がランナーとして走った場合。
初心者にレースの心得を説く場合。
ボランティアとして参加した場合。
今後、同じことを繰り返したくない、繰り返させたくない、と思っている人がほとんどだと思うのですよ。
だからはやり、
- 運営側の初動の対応
- 行方不明の方の行動(わかっている全てと推測)
- 以後の捜索時の詳細な内容
これらを知りたい。
今回のものでは報告内容が薄い、不足している、と思ってしまいます。
もしかしたら弁護士や警察から報告書の内容への指導があったのかもしれない。
行方不明者やご家族の名誉などを守るために何か書けない事があるのかもしれない。
現場スタッフが責められる可能性があるので書けない事があるのかもしれない。
人間、自分よりも誰かを守ろうとするときに、常識では考えられない事をしますもんね。
それでも今後、同様の事故が起きない様に、書けるだけ書いて欲しい、と思いました・・。
もっと詳しい、超頭の良い方が捜索方法やレース運営の改善点を考えてくれるかもしれない。世の中には沢山の利口な人がいるのですから。
ロストした連絡があってからそこで待機するように指示した
↓
捜索・救助に向かった
↓
その後連絡が取れず、忽然と姿を消した
本当に不可解です、恐らく運営の方も同じ思いだと思います。
ご本人が脱水や低体温で意識混濁して長距離を移動した?
それとも水を求めて沢に降りる際に足を滑らせて滑落、斜面の途中で引っかかった?
そういう事なら沢や尾根など、通常の捜索過程では見つからないかもしれません。
出来る事なら見つけてあげたい、と思っていらっしゃると思います、関わった皆さんも、それ以外の人も。
しかし思うのは、各大会の運営者によって、想定しているトレイルランナー像というか、求めている知識・技術レベルがまちまちだな、と。
とにかく激しい体力を要求されるレースもあれば、ロストして当然、みたいなコースもある。
それらをすべて「トレイルランニング」としてひとくくりに考えていたような気がします、私。
個人的には「チェックポイントさえ通れば後はどこ通ってもOK、コースマーキングも無いよ」というレースで良いのですが、それは多分トレイルランニングのレース、という範疇ではない気もしますし。
やはりある程度、協会が主導権をとって、カテゴリー分けする時期がきているのかもしれません。
- Cat.1 トレイル・・低山を中心としたわかりやすい初心者コース
- Cat.2 スカイ・・分かりやすいがテクニカルな標高差の激しいコース
- Cat.3 マウンテン・・体力と技術が要求される長距離・標高差大のコース
- Cat.4 アドベンチャー・・地図読み必須、エイドも少ない完全自己責任なレース
みたいな。内容は今適当に書いたのでアレですが。
要は山のグレーティングと考え方は一緒ですね。
IRTAポイントなんぞなんの指標にもならないと思うんですよ、こと安全においては。
あんなポイントに振り回されるよりも、安全基準で参加資格を決めた方が良いのでは・・。
人の力に頼るとどうしてもクオリティにムラが大きくなりますから、やはり業界全体でシステムをキッチリして、ある程度の質を保てるようにするのが安全な運営への近道では。
あ、偉そう。
誰やお前。ただの鈍足ランナーやん。
ブログ書いているといつの間にかご意見番気取りの文章になってしまいます!
ワイドショー見ているとお茶の間でご意見番になるお婆ちゃんおじいちゃんと一緒の現象ですね、これは。
でもひとつ言えるのは、多分、今回の報告書を批判している方々は、運営をただ批判したいわけじゃない、業界をもっともっと良くしたい、という思いがあると思います。
攻撃したいんじゃない、むしろ厳しい応援をしているんだ、と。
参加者側も安全意識の向上は必要だと思うので、気を引き締めて、しっかりと地図も読み込んで参加したいと思います。
必携品は必ず持つ、事前に地形を把握する。
えー、では最後は安全唱和で締めたいと思います。
「ゼロ災でイコウ、ヨシ!」(わかる人いるか?)