「先輩、山に連れてって下さいよ!」
登山やトレランをやっている方なら、一度は言われたことが有るはず。
全くの初心者から言われる、この言葉は怖い。
まず、装備を教えなくちゃいけない。
相手の現在の装備や懐事情も分からないのに、ありとあらゆる装備のアドバイスをしなければならない。
また、多くの場合、「えー、そんなに掛かるんスか?っつーかそれっていります?」的なネガティブな反応が帰ってきます。
「登山靴っすか?ティンバーランドの靴なら持ってますけど?へ?」
それは登山靴ではないのだ、後輩よ。
また、ザック、登山靴は納得して買うとしても、ゴアなどの透湿雨具や化繊の服なんかはだいたい渋ります。
それなのになぜかランタンとか買いたがる。
むしろそれは必要ないから。
次に体力が分からない。
というか大体、不足している場合がほとんど。
初心者向けに4時間程度の山行コースを提案しても、嫌な顔をされます。
普段の生活や仕事っぷりを見て根性がある人間や、スポーツをして体力がありそうな子なら喜んで連れて行きますが、なかなかそんな優良物件もなく。
小中学生なんかはむしろそれくらいは休憩入れれば歩けたりしますが、普段動いていない大人は、1時間で疲労困憊、2時間で帰りたがる。
また、安全にも責任を持たねばならないですね。
あらゆる想定をして水や食料も多めに持っていかないと不安だし、ペースも相手の疲労を考えてコントロールしなければならないです。
これは本当に疲れる。
そして、当然かもしれませんが、後輩だと金を出さない!
かといって車も出さなかったり。運転もしなかったり。
プラン丸投げ、安全にも責任を持ってもらい、車を出してもらってガソリン代、飯代も無料・・・・!
そんな山行、俺が連れてって欲しいよ!
というわけで、連れて行きません、後輩は。
上司や先輩だと、車を出してあげれば、行程が完全無料になったりするので、自分は完全にガイドに徹してサービスする気にもなりますが、後輩を連れて行こうとはとても思えません。
ただ、自分と同じようなペースで歩けそうで、本気で山をやりたがっている子だったら話は別で、バディとして是非、山の世界に引きずり込みたい。