カモシカロングトレイル

トレイルランニング・登山・ULハイク・マラソン。書き捨て御免。※本ブログはプロモーションが含まれています。

マイクロプラスチック問題と山で遊ぶ我々が出来る事

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久しぶりの更新です。

去年あたりからずーーーっと話題になっていたマイクロプラスチック問題。

しかし私はその昔、仕事で日本の環境ビジネスの第一人者の一人と言われる人と仕事をした頃から環境問題の裏表を少し見て、その頃に学んだ事は、環境問題においては「安易に信じたくなることを信じるな」ということです。

各所から出される研究結果、論文には大企業のタニマチがいたりして、自分に有利な結論ありきの研究を行っている事もあります。

 

例えば

・水道水からマイクロプラスチックが検出

→室内に浮遊する化繊だった

 

 

・マイクロプラスチックを与え続けた鳥の肝臓に腫瘍が

→自然界ではあり得ない量を与え続けていた

 

みたいな、センセーショナルではあるけれど実際の研究成果が殆ど無いような論文も多々あります。

 

だからずっと勉強はしていましたが、自分の中でこれといった行動指針を持てずにいたし、社会に「こうあってほしい」という思いも定まらなかった。

 

マイクロプラスチック問題とは主に以下の懸念から来ています。

  1. プラに含まれる別の化学物質は身体に悪い物が有る事は間違いない事
  2. マイクロプラスチックは一度流出したら回収が不可能な事
  3. マイクロプラスチックが増え続けているのは間違いない事

しかし留意する必要がある点として

マイクロプラスチック自体が身体に悪いという証拠はない事

マイクロプラスチックの主要な原因物体は定まっていない事

 

という物があります。

個人的には「マイクロプラスチックは増え続けるのは問題だが、技術革新までは仕方ないよね」というのが暫定的な結論でした。

 

 

ただ、最近家事を全て行う身になって気付いた事があります。

「生ごみ以外の家庭のゴミの9割、プラスチックじゃん」ということです。

 

食品やお菓子のパッケージ。それを包むフィルム。使い捨ての食器・・・。

それ以外のゴミと言えば、紙くらい。

 

それだけではありません。掃除機のゴミを捨てる時、乾燥機のホコリを捨てる時、思ったのが「この殆どが化繊のカスじゃん」ということ。

 

特にこの「化繊のカス」は、簡単にマイクロプラスチックになるんじゃないか・・・?

というか原因の殆どがこれでは。

 

袋状のプラスチックが流出する、海までたどり着く、というのは日本ではほとんどないように思います。

対して、今日では繊維の半分以上が合成繊維。

合成繊維の中でも殆どが石油由来の化学繊維になっていて、セルロース系の繊維(レーヨンなど)は使われなくなってきました。

特にこれ、我々のような山で遊ぶ人やスポーツやる人はかなり化繊の割合が多いと思います。

速乾素材に使われる化繊。防水に使われるポリウレタン樹脂。防寒具に使われる化繊。それらに使われる接着剤。とにかく、一般の服よりもずっと化繊に頼っています。

 

パタゴニアが先頭を切ってマイクロプラスチック問題に取り組んでいますが、私からしたらフリースというマイクロプラスチックを振りまいて歩くような物を実用化して流行らせたんだから当然の行為であるとも思います。

まあフリースに関しては、品質の低いメーカーの物の方がマイクロプラスチックを出しやすい、とパタゴニア自身が調査結果を報告していますが。

 

正直なところ・・・。本当にマイクロプラスチックが問題だ、と断言するのなら、石油由来の化学繊維は使わず、セルロース系の繊維を開発していくべきだし、その義務があると思います、マイクロプラスチックの害をあそこまで強く宣言するのならば。

 

セルロース系の繊維のレーヨンや、セロハン(セロテープなどに使われるフィルム)であれば、簡単に自然に還ります。

製造時の環境負荷も、最新設備であればかなり少ない、とも聞いています(確証はないですが)。

 

だから私が考えるマイクロプラスチックの解決策は

  • プラスチック由来の袋や食器は全て無くし、セルロース系の物を使う
  • プラスチック由来の繊維は全て無くし、セルロース系の繊維開発を急ぐ

 

しかないと思っています。

生物への健康被害はないかもしれません。

いや、正直私は今でも7割くらい「被害なんてねーよ」って思っていますが、残りの3割の可能性を、子供たちへの負担としたくない、という考えです。

 

で。

じゃあ今すぐ私たちに出来る事は何か?というと。

 

1.プラスチック系の物は確実にゴミとして出す

ポイ捨ては言語道断、繊維なども下水に流さない。

ゴミとして出せば、焼却さえされれば、自然に飛散する事はない。

ちなみに、今の高温焼却炉ならば、プラスチックは半ば燃料としてクリーンに燃やせるのです。分別が進んで、プラスチック系のゴミを燃やさない自治体ではより多く重油をたしていますからね。

 

2.ウールや麻、シルクを積極的に使用する

メリノウールなどの繊維を積極的に使用して、化学繊維はなるべくしようしない。

麻もシルクも技術革新でかなり実用的な衣料となっています。

高価であっても、加水分解が無かったり、紫外線劣化がないので、長期的に考えれば物によってはコストパフォーマンスも高い、と言えます。

 

3.食品など、なるべく大袋の物を詰め替えて使用する

ナッツやチョコ、チップス、ペットボトルなど、なるべく大きな物を購入し、詰め替えて使用するのが良いと思います。

 

 

という様な内容で、やっと去年から考えていた事がまとまりました。

日々、家事を行うようになり、いかに自分がプラスチックまみれで生きて来たのかを実感する様になりました。

 

それとともに。

何一つ悪い事をしていないこの子供たちに、これ以上リスクを被せる事は出来ない。

我々も先の世代から負の遺産を相当量受け取ってはいますが、ここで断ち切りましょう。

そう思いました。少しづつ、出来る事から、ね。