今回もちょっと真面目な話です。
秋は気温も落ち着き、虫も減り、低山歩きが楽しくなる季節です。
春も勿論楽しいのですが、残雪がある場所が少々怖い。
しかし最近はYAMAP(ヤマピー)やヤマレコなどでも最新の情報が気軽に手に入る様になり、この数年、春と秋だけは、無名な低山でもアクセスの良い山には人が入ってくるようになった気がします。
今年の春は、私のホームトレイルにもツアー登山客がちょこちょこいらっしゃっていました。
トレイルといっても、ずっと昔の登山地図にしか載っていない(しかも破線)ルートなので、今年の春までは私の文章無し、画像のみのYAMAP記録と、ある方のブログにしかルートは載っていませんでした。
しかしまあ、ツアーでいらっしゃるくらいだから腕(足?)と経験のある登山ガイドさんが付いているだろう、と思っていたのですが・・・。
ある日、痩せた尾根でそのツアー登山客一行とすれ違いまして、下山中の私は当然脇に避けて通そうとしたのですが、先頭の若い女性のガイドさんが、私に「この先は険しいですか?」と聞いてきたのです。
私はちょっと不思議に思いながらも
私「いやー、やっぱり今年も藪藪ですよ!」
と答えると、
女性ガイド「え!そうなんですかっ?!」
という反応。
私はちょっと驚きを隠せませんでした。
え???知らないの????知らないのにこの山来たの???しかも引率して???
私「〇〇山、初めてですか?」
女性ガイド「はい、私、去年から添乗員になったので・・」
添乗員???登山ガイドじゃないの???去年????
とても危うい気がしたけど、おせっかいしても始まらないと思い、
私「この先は尾根が全面藪ですけど、一度右にトラバースして、もう一回尾根に上がる私の足跡があるはずなので、それを辿ったらあとはピンクテープを追えば大丈夫ですよ!」
と超爽やかなアドバイスをしてすれ違いました!
その後、15人くらいのおじいさま、おばあさまが
「こんなにキツいとは思わなかった」
とか、
「あそこで手袋落としたから拾っておいてくれ」
とか、すれ違ったあとに
「ああいうトレランは好かんのだよ」
とか色々と賑やかにお話されながら登って行かれました。
多分ちゃんと帰れたと思います、多分。多分。
その後の下り、ゴミが多数落ちていたのは、まあ今回の話とは別の話なのですが・・・。
勿論拾いましたけど、手袋は拾えよwww諦めるなwww
話をもとに戻しますが、これって普通なのかな??と思ったんです。
いくら低山だからといって、行った事の無い山を経験の浅く、情報も持っていない添乗員さんがガイドするのは危なすぎるだろ?と。
でもまあ、その時はそんなものか、とすぐに忘れました。
そしたら、つい昨日、「ハイキングツアー添乗員募集」のwebページを目にして。
それ見たら上記の記憶がよみがえってきた次第です。
登山・ハイキングの経験者であればどなたでもOK!
みたいに書かれているんです。
募集も、派遣や登録社員です。
山の経験浅くてもいいんだ。
登山経験10年以上、ロープワーク云々、コースタイム云々・・・みたいな経験は必要ない。
いや、経験が浅いからダメなわけではないです、決して。
でも、誰をどの山のツアーに添乗させるとか考える人は、相当の知識と経験と、人を見極める能力と判断力が必要だと思うんですよ。
上記のわたしのトレーニングコースの山、痩せ尾根とかヒルの巣とか、色々と危険な箇所あるんです。
山頂近辺は藪すぎて、教えてもらわないと多分たどり着けない。
10数年前には遭難者も出しているし、未だに見つかっていないし。
ここを、標高が低いからと言って初心者向けハイキングツアーとして扱っちゃう会社の神経を疑います。
知らない山行くなら人気の高山より不人気低山の方がよほど怖いと思うんですが・・。
しかも、お給料。彼らのお給料。とても人の命を扱うのに見合った値段とは思えません。
「ハイキングツアーの添乗員」というものの、実質、登山ガイドですよね???
なんか、物凄く安く便利に使われているな、と思ってしまいました。
今この記事を調べるためにさらっと調べた範囲ですが、最近はこの「ハイキングツアー」が、一人で参加して出会いの場になる・・・ということで人気だそうです。
名古屋発で日帰りで難易度が低くて行程が短くて・・・というとどうしても不人気低山が多くなるのも分かります。
でも。
私ごときが言うのも僭越ですが、ツアー会社さんは、あまり甘く見ない方が良いと思います、人も山も。