トレイルランニングを始めたころ、一番悩んだのが、シューズの選び方です。
色々と見て、調べて、聴いて。
思ったのですが、ロードでは圧倒的なメーカー、アシックスやナイキ、アディダスだけでなく、ニューバランスやリーボックなどが、なぜトレランの世界では存在感が希薄なんでしょうか?
各メーカーとも、正直力もあまり入れていないですし(流行りそうだから一枚噛んどくか、程度)、少数ながら有るレビューなんかを見ても、あまり芳しい評判がありません(アシックスのゲルフジシリーズは別)。
そうはいっても大きな研究所をたくさん抱えるメーカーさんたちだもの、良いもの作ってるんでしょ?
そう思っていたのですが、どうやらそうでもないようで。
当時色々と見ていましたが、素人目にもダメな靴(ラグが深いだけで一方行に並んだソールや水に濡れたら絶対乾きそうもないアッパーなど)ばかりでした。
最近はどうやら力を入れ始めた様で、割としっかりした物が多くなってきている気がします。
それでも、モントレイルなんかと比べると、1周遅れているきがしますが。恐るべし、コロンビアグループ。
トレランシューズの中でも色々と特徴があるのは当然なんですが、色々と試してみて、下りで滑る靴と、全然滑らない靴があるとわかってきたんです。
滑らない靴は、なんと凍結路の下りのラン(5分/km)でも本当に滑らない。
なんでかなー、こわいなー、と思って自分のソールを見てみたら、下りで滑らない靴には共通点があることに気が付きました。
トレランシューズってロード用のランニングシューズと違い、当然ながら多様なコンディションに対応する必要がありますよね。 グラウンドコンディションとしては、おおきくわけて、
1.土、枯草、枯れ葉
2.沢、泥
3.岩、砂利
4.舗装路
といったところでしょうか。
そしてトレランシューズのメーカーは、このなかでどこまで対応したシューズを作るか、とか、企画段階から色々と考えて作ってくれているのでしょう。
なかでもスピードモデルと言われる、舗装路や土、砂利の上を走る事をメインに考えている靴は、ラグ(ソールの凸凹)が浅く、柔らかく出来ています。
ラグが深いと食い込むためにパワーをロスするし、平らなところではグリップが弱くなるし、重くなるしでいいトコ無しなので、ロードシューズに近いソールになります。
そして、本格的なトレイル対応のものになると、マッディーな路面や急斜面など、いろいろな場所で色々な方向にグリップを聞かせやすいよう、小さいラグを多方向にバラバラに配置したものが多いです。
そしてエンデューロモデルとなると、岩場や急斜面に対応している、と自称している靴が多くなるのですが、そういったものの中に、私が勝手に「逆爪」と呼んでいるラグを搭載しているソールがあります。
下りで泊まれない、怖い、という人は、これがあるものを選んで下さい!
外側に向かって食い込むように、刃のように傾斜をつけられて配置された「逆爪」。
これが、自分が下りで重心を掛けるあたり(私なら中足部)にちゃんとある物を選ぶと、ビックリするほど滑りません。
これは一度体験してほしい。
各メーカー、エンデューロモデルは値段もするのに重く、乾きにくく、見た目もダサ目なものが多いです。
しかし、スピードを求めない、普段の山行なら、通常の登山靴も含めたすべての靴の中で、最も「滑らない靴」が多いジャンルだと思います。
もちろん、ターサージールでロングのトレイルレースを走り切っちゃう様な人は別です!
そういう人はもういっそのこと裸足で挑戦してみて下さい!
ちなみに、わたしはこの靴で山を走ったら、開始1kmくらいで小指をぶつけて泣きました。
フォアフットの練習用には最高なんですけどね。