男というもの、どうしようもなく惚れてしまう時がある
いやあ。
もうずっと欲しかった。
それ必要ですか?使いますか?最適ですか?という理性が常に私の衝動を押しとどめるんですが、ついに我慢が出来ず、買ってしまいました。
何を?
決まっているじゃないですか。
アレです。ゲートウッドケープですよ。
ゲートウッドケープとは
誰もが知ってるULガレージメーカーの一つ、シックスムーンデザインズが長年作る、フロアレステントにもなるケープです。
その名前、「ゲートウッド」は、グランマ・ゲートウッドと呼ばれる、ULhikeの生みの親にあやかってつけられました。
ゲートウッドさんについて触れますと。
11人の子供の母であり、閉鎖的な町の古典的な農家で夫による支配と暴力からの逃避後、1955年になんと67歳で2,168マイル(3,489 km)のアパラチアン・トレイル(AT)を女性として初めて単独踏破。その後も超軽量スタイルでハイキングを続け、まあなんか超有名になります。
いや、半端じゃねーなこの女性。
ちょっと調べれば調べるほど凄い。子供たちが巣立つまで家庭内暴力に耐え続けたのがまず凄いし。
このアイテム、シックスムーンデザインズが誇る定番アイテムなんですが、めちゃくちゃ人気で様々なメーカーにパクられてきたルナーソロと違い、かなり玄人向けの製品であったためか、ほとんどスルーされてきました。
とはいえ、一部の人にはめちゃくちゃ愛されていて、ほとんど形を変えずに今でも名前だけはよく目にするアイテムです。
雨具兼フロアレスシェルターという、初期ULハイカーのアイコン的なポンチョタープを少しだけ便利にした様なスタイルがそそります。
特徴は以下の通り。
- 多機能: このシェルターは、雨具としても使用できないことなはいです。
- 軽量: ゲートウッドケープは驚くほど軽く、約300グラム程度しかありません。
- 設営が簡単: 1本のトレッキングポールと6本のペグのみで簡単に設営できます。
まあ今となっては普通ですね。現代の新世代フロアレステントと比べると、特段なにか優れているわけではありません。
例えばフロアレスシェルターなら強靭性、軽量性ともにHMGのUltaMid1の方がどう考えたって良いでしょう。
他にも優れたフロアレスシェルターなんて山ほどあります。
しかし。こいつほどカッコいいフロアレスシェルター有ります?
いや、無い(断言)。
いや、姿だけじゃない。
雨具として使える、というのも良い。
想像してみて下さい。
こいつだけもってアルプスの稜線を走り。
雨が降ればケープとして纏い。
夜になればこいつで幕営するトレイルランナ―。
いや、カッコいい。
勿論、コイツでアルプスで幕営する、というのはめちゃくちゃ玄人向けです。
同じく、アルプスでこいつを雨具として使うのは普通は考えません。
しかしそれを工夫と訓練でこなせるようになったら。
その時、コイツが何か所も穴が開いていて、補修跡とかあったら。
いや、かっこよすぎるだろ。
という衝動を抑えられず買ってしまいました。
ゲートウッドケープスペック紹介
- サイズ H115cm × W267cm × L168cm
- 重量 310g
- 素材 15D シルナイロン
- カラー Gray 、Forest Greenの2色展開
皆さんご存じだと思いますけど少し説明しますと、トレッキングポールなどを流用して建てられるワンポールフロアレスシェルターとして作られていて、広さは1人なら充分です。
縫い目はシーリングされていないので、雨は浸みてくるはずです。
緊急時に被って座り込むことが出来たりと、まさにツエルトに良く似た製品ですね。
ゲートウッドケープレビュー
到着。
重量はスミマセン。
雪の中、使用後に計測したので若干重たくなっています。
それでも301g。公称315gよりも軽くなっています。
乾いている時なら293gでした。
ちなみにパッカブルなのも嬉しい。
早速張りに行きました。
めちゃくちゃ簡単です。
あっ という間に展開できます。
この天端のポールを差す箇所の強度をかなり高くしているので、想像しているよりもかなり丈夫な構造になっています。
あらかじめ付属しているガイラインの一番長い場所で設営。
そうすると125cmのトレッキングポールがピッタリかな。
それで設営すると、めちゃくちゃ広いですね。
天気の良い日や昼間は全開が開放的で良さそう。
というかかっこよすぎる・・・。
左右それぞれ半開けも出来ます。
開けた扉?はこのようにまとめておけます。これは普通か。
サイドリフトもあります。ここは構造上弱いので、使うならバンジーコードを繋げた方が良いでしょう。
雨の日は天井のフード部分を絞って使うのでしょう。
というか横がスースーなので換気口としても重要ではないし、基本は絞って使う事になると思います。
パッカブルのポケットは小物入れになりそうです。
上のループにはランタンも下げられそう。
大き目の男でも充分に快適に過ごせる広さです。
とまあ、ここまでは想定した通り。いや、想定以上にカッコいいけど。
以前紹介した超軽量カーボンポール。
伸ばした状態だと125cmのこいつ。
固定しているポッチを外すと、ちょっと短くなるんですよね。
勿論その状態のままトレッキングポールとしては使用できませんが、テントポールとしては問題なく使用できるんです。これがだいたい105cmくらい。
これで、各所を直接ペクダウンしちゃいます。
NEMOのエアピンなら地面にペッタペタに付けた時の固定力が抜群になります。
すると。
ほとんど地面との間に空間が空きません。
こうなると耐風性も劇的に上がります。
また、雨の吹込みはおろか、跳ね返りもほとんどなくなるので、ハードコンディションでも使えそうです。
ほとんど隙間は出来ません。
防風体制、とでも言いましょうか。
思ったよりもずっと強そうです。
これだけ隙間が無いと、ポールに折れることのないトレッキングポールを使い、風に強い形な上に常にペグで引っ張る力で耐えられる分、軽量ダブルウォールテントよりも恐らくは強いんじゃないか、と見ています。
ただ、フロアレスシェルターなので、防水シュラフカバーや小さ目のビビィは必要です。
なので、シームシーリングも必要ないかな、と思っています。
後日近所で一泊して見ましたけど真冬の山間程度の環境なら、余裕で過ごせます。
で、さらにケープとして、雨具として使う場合。
コレは色々と悩みました。
普通に何もせず使うと当然長すぎる。
公式がいう様なやり方でも長すぎます。
よほど開けた場所でないと、これで走る事はおろか、歩き回るのは無理です。
日本の樹林帯やハイマツ帯、岩場みたいなトレイルでは引っ掛ける事間違いなし。
ケープとしての使い方・・公式より
という事で色々とあれこれやってみた結果。
こうやって3か所ずつまとめ。その先を付属のカラビナでまとめます。
そしてそれを首の後ろに回す。これだけです。
すると・・。
じゃーん!
これなら下はレインパンツや、寒くなければ短パン&ワセリンみたいな感じと相性良さそうです。
これもまだまだ試行錯誤する必要がありそうですが・・。
まとめ
良い点
- しぬほどカッコいい
- 軽い(約300g)
- 雨具にもなる
- 意外と丈夫そう
- ビタ付け出来る
悪い点
- 普通に使ったら雨具としての性能低すぎる
- 普通に使ったらテントとしての性能低すぎる
- 値段が無駄に高い
正直なところ、万人には全く勧められませんね・・・。
だからこそ惚れてしまったのに私も悩んでいたんです。
全身入れ墨で前科3犯、借金3千万あるけどめちゃくちゃ美人で気立ての良い女、という感じです。
男ならいっとくしかないでしょう、これは。
これはね。
一生かけて、これだけでアルプスを走り回れるようになりたい。
そう思わせるロマンがありますよ。
カッコよくないですか??
最初に書いたように、穴が開いて、補修して。みたいな感じになって。
若い子に馬鹿にされても「いやあ、20年これだけをつかっとるのよ(ニコニコ)」みたいな爺さんになりたいんですよ。
で、飛ぶように山々を走りたいんですよ。
いや、しかしカッコいい。
今まで生きてきて、ここまで惚れたテントというのは初めてです。
こいつのDCFバージョンが出たら最高なんですが・・・取り合えずこいつを使いこなせるようになりたい!です。